文化の日は、お寺で映画。坂本龍一も入れ込むテーマ

 ロハスな生き方を訴える坂本龍一は、最近、政治に関わっている。もちろん、9.11事件の時にも、時流に抗して『非戦』という本を出版いたのだけれども、最近は、青森県六ヶ所村のプロトニウム再処理工場設置反対の国際的なキャンペーンを張っている。

彼のサイトのトップには、六ヶ所村再処理工場設置反対キャンペーンのサイトがリンクされている。

文化の日には、彼の番組にゲストで登場した映画監督鎌仲ひとみさんの映画「六ヶ所村ラプソディー」とトークイベントが開催される。場所は、NPOやアートの拠点のお寺應典院だ。ここは、言わずとしれた、秋田光彦住職と主幹の山口洋典さんがプロデュースしている。

鎌仲ひとみさんは、米国の独立メディアの先駆けであるPaper Tigerに所属していたこともある、市民メディアの映像クリエイターである。原爆やシリアスなテーマを扱いながら、社会との対話を図っている。先日、大学で講演していただいた玉本英子さんは、つい先日、東京で鎌仲ひとみさんとシンポジウムで同席したとのこと。そういえば、「SOBORO DIALOG」のゲストで参加されたREALTOKYO / ART iT発行人兼編集長の小崎哲哉さんも坂本龍一さんのことを話題にされていた。私にとっては、知り合いを通じた数珠繋ぎのつながりでイベントに参加することになった。

是非ご参加ください。

應典院コミュニティシネマシリーズVOL.8

鎌仲ひとみ監督作品「六ヶ所村ラプソディー」大阪劇場公開記念イベント

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   「映画が地域を見つめる・映画で地域を見据える」

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http://www.outenin.com/ccs/008.html

 本企画では鎌仲ひとみ監督をお招きし、イラク訪問をきっかけに知った内部被ばく、世界を取り巻く核の脅威、映画「ヒバクシャ」制作当時のエピソード、そして映画「六ヶ所村ラプソディー」制作に至るまでの流れを映像とトーク、ライブを交えて紐解きます。まず第一部では「六ヶ所村ラプソディー」の導入とも言える映画「ヒバクシャ」をじっくりご覧いただきます。続くランチタイムには、下北半島産の昆布を使った料理や、青森県産の地粉を使った天然酵母パンなどを用意します。また、第二部ではCYCLUBとのトーク&ライブ、第三部では同志社大学大学院との協働トークセッション、そして第四部では。これらの変化に富むゲストと共に、ウラン採掘から原子力発電、劣化ウラン弾の使用から核廃棄物の行方としての再処理、廃棄物処分、という核を取り巻く社会のシステムとスタイルを見つめ、ひとりひとりの生活や暮らしの中の選択、そして地域社会のあり方を見据える場と機会といたします。

[開催概要]

■日時:2006年11月3日(金・祝)9:30〜21:30

■プログラム:

第一部 10:00〜12:00 映画「ヒバクシャー世界の終わりに」上映

  もうひとつの被ばく「低線量被曝」。この問題に焦点を充てた映画

 「ヒバクシャ」をご覧いただきます。なぜ監督が「六ヶ所村ラプソディー」

  を制作するに至ったかを感じていただきます。

第二部 13:00〜15:45 映画「六ヶ所村通信 no.1」上映とトーク&Cyclubライブ

  撮影現場からの報告を兼ねて作成された「六ヶ所村通信no.1」を上映。

  監督には「ヒバクシャ」から「六ヶ所村ラプソディー」に至ったいきさつ

  などをお話いただきます。そして、トークセッションを行います。

  トーク終了後にはCyclubによる30分程度のライブ演奏があります。

第三部 16:00〜18:15 映画「六ヶ所村通信 no.2」上映とシンポジウム

  「六ヶ所村通信No.2」上映の後、同シリーズを作った理由やいきさつなどを

  監督にお話いただきます。後半は「六ヶ所村から『地域におけるソーシャル・

  イノベーション』を考える」(共催:同志社大学大学院総合政策科学研究科)

  と題し、鎌仲監督と共に「地域社会のあり方」を語り合います。

第四部 18:30〜20:45 映画「六ヶ所村通信 no.3」上映とトーク&岡野弘幹ライブ

  「六ヶ所村通信no.3」上映の後、監督によるちょっとした裏話のご紹介を。

  後半は、映画『ホピの予言』などで知られる辰巳玲子さんと、音楽家であり

  アメリカインディアンムーブメントを日本で支えてきた岡野さんをゲストに

  地球人の精神について語り合います。トークの後には岡野さんのライブ演奏有。

■参加費:各プログラム 1,000円(学生700円)

     全日パスポート3,000円(学生2,000円)

      *参加予約はメール、FAXで受け付けます。

       なお、同志社大学大学院総合政策科学研究科の教職員・学生は無料。

       應典院寺町倶楽部会員は学生割引と同額での優待参加をいただけます。

       申込予約多数の場合には当日入場をお断りすることがあります。

■場所:應典院本堂ホール 大阪市天王寺区下寺町1-1-27

http://www.outenin.com/otenin_6.html

地下鉄「日本橋」「谷町九丁目」徒歩8分

■定員:各プログラム毎100名

     【事前予約受付有・開場時は全日パスポートでの参加者を優先入場】

■ゲストプロフィール:

鎌仲 ひとみ(映画監督・東京工科大学メディア学部助教授):第二部・第三部・第四部

http://www.g-gendai.co.jp/hibakusha/

http://www.rokkasho-rhapsody.com/

http://www.teu.ac.jp/info/lab/teacher/media_dep/83.html

1958年富山県生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。1984年、グループ現代や岩波映画制作所と助監督契約。1991年10月、文化庁芸術家海外派遣助成金を受けて、カナダ国立映画制作所で勤務。その後ニューヨークのメディア・アクティビストグループ、Paper tigerに参加。1995年に帰国しフリーの映像作家として活躍。「博士のさがしもの」(1990)、「戦禍にみまわれた子供たちー湾岸戦争8年後の子供達」(1997)、「心の病が癒される時」(1998)・「エンデの遺言―根源からお金を問う」(1999)、「がんを生き抜くー希望を支える医療の記録」(2001)など映像作品の他、『ドキュメンタリーの力』(2005、子どもの未来社)など執筆も多数。

Cyclub(サイクラブ):第二部

http://soundvision-tokyo.com/cyclub/

アメリカで生まれ・イギリス育ちの音楽変形変動アーティスト集団。ソニックユースのサーストンムーア、ダイナソーJrのJマスシスなどの前座を務める。米国マサチューセッツで誕生し、環境問題をテーマに掲げた演奏活動を英国ロンドンで展開。ライブ演奏と合わせて多彩なイベントも企画し、社会へ環境問題を訴える活動に取り組んでいる。バンドのCD売上金を資金に青森県六ヶ所村の核再生処理工場へ視察へ行き、その後も全国で投げ銭ライブを行いながら六ヶ所村再処理原発工場を止めるためにライブを実施している。

新川 達郎(同志社大学大学院総合政策科学研究科長・教授):第三部

http://sosei.doshisha.ac.jp

1950年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、同大学大学院政治学研究科博士後期課程修了。東北学院大学法学部助教授、東北大学大学院情報科学研究科助教授などを歴任し、99年4月から同志社大学大学院総合政策科学研究科教授。同研究科のソーシャル・イノベーション研究コースでは「ソーシャル・イノベーター」とよぶ地域公共問題解決に活躍する実践者であり研究者の養成に取り組んでいる。また、京都市市民参加推進懇話会委員、滋賀県新行政システム推進委員会専門委員など、よりよい地域社会を推進するための制度改革を牽引する。『行政と執行の理論』『行政とボランティア』『中央省庁改革』『比較官僚制成立史』など著書、翻訳多数。

秋田 光彦(浄土宗大蓮寺・應典院住職):第三部

http://www.dairenji.com

1955年大阪市生まれ。明治大学文学部演劇学科卒業。東京の情報誌「ぴあ」に入社し、主に映画祭の企画・宣伝を担当。退社後、映画制作会社を設立、プロデューサー兼脚本家として活躍。1997年に劇場型寺院應典院を再建。市民活動や若者の芸術活動を支援している。同寺は1999年大阪まちなみ賞、2003年なにわ大賞準大賞を受賞。また、應典院を含め、大化の改新以来、歴史、文化の魅力にあふれた上町台地界隈におけるまちづくりのネットワーク組織「上町台地からまちを考える会」の代表理事や「上町台地マイルドHOPEゾーン協議会」の事務局長なども務め、市民、コミュニティ、地域資源のあり方を具体的に提案し、実践する。共著に「市民プロデューサーが拓くNPO世紀」「宗教と人間の未来」など。

辰巳 玲子(ランド・アンド・ライフ主宰):第四部

http://www.h6.dion.ne.jp/~hopiland/

1957年神戸生まれ。大学卒業、アルバイトと旅行を経て、1988年に映画『ホピの予言』によってアメリカインディアン・ホピ族の平和のメッセージと出会う。直後に初渡米し、インディアンたちによる祈りのランニング「Run for Land and Life」に参加し、北米大陸を1ヶ月間走って横断。引き続き、インディアンランナーたちを日本に招聘するプロジェクトメンバーとして、広島をスタートに核廃棄物最終処分場予定地であった北海道・幌延まで、主に原子力施設を巡って日本列島を駆け抜ける「大地といのちのために走ろう」にも参加。その後2003年3月イラク戦争開戦を契機に、ホピ族のマーチン・ゲスリスウマ氏にインタビューし、04年4月「ホピの予言2004年版」を制作する。映画上映の再開とあわせ、ワークショップも各地で開催。

岡野 弘幹(天空オーケストラ代表):第四部

http://www.tenkoo.com/okanohiroki/menu.html

1964年生まれ。1987年よりソロ音楽活動を開始。1990年ドイツのレコード会社IC DIGITと専属契約を結び、アルバムの全世界発売に至る。世界の民族楽器、自然音、デジタル・サウンドを融合し、自然界への畏敬や感謝を日本的感性で、清浄に、そして透明に表現した音楽が、ヨーロッパ・アメリカで高い評価を得る。1991年、民族楽器によるグローバルミュージック「風の楽団」に参加。1994年、天空オーケストラを結成。RAINBOW2000での細野晴臣氏(YMO)との共演をはじめ、フジロックフェスティバル、グラストンベリーフェスティバルUKなどへの出演や、熊野本宮など全国の社寺での奉納演奏なども行う。Begood cafe OSAKA 代表など活動の幅も広く、エコロジカルな文化のリーダーとしても活躍中。

■お申込み

予約優先、FAX、Eメールにて

1)氏名

2)一般/学生

3)電話、FAX(Email)

4)参加形態(希望プログラム番号・全日パスポート)

を下記までお知らせ下さい。

● 問合せ・予約申込み 應典院寺町倶楽部

 TEL 06-6771-7641 FAX 06-6770-3147

 E-mail info@outenin.com URL http://www.outenin.com

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■主催   應典院寺町倶楽部

■共催   同志社大学大学院総合政策科学研究科

■特別協力 グループ現代 おふぃす風まかせ

■協力   有限会社アンビエンス ランド・アンド・ライフ もっきん堂

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應典院コミュニティシネマシリーズは、コミュニティシネマ協議会のコミュニティシネマ憲章に賛同し、地域における豊かな映画環境の創造に取り組んでいます。

http://www.outenin.com/ccs/

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たとえ危険な場所でも、知り合いがいれば、また取材したい

玉本英子さんの講演を見る

(ダウンロードするか、iTunes for mac/winで見てください。)

先週金曜日夜、情報館のマルチメディア講演会で、「報道を変えるハンディカメラの可能性 ―戦争後のイラクでは何が起こっているのか-」と題して、「アジアプレス・インターナショナル」所属のビデオ・ジャーナリストの玉本英子さんの講演会が開催された。

このブログでも何度か紹介しているように、イラク取材を継続している数少ない日本人女性ジャーナリストである。大学の授業でも、学生向けにドキュメンタリー制作の入門コースを担当していただいている。しかし、彼女の本職を披露していただいてこそ、大学で教えたことになると思い、学内関係者の協力によって今回の講演会が実現した。

前半は、大学側の希望で、ビデオ・ジャーナリストや映像を活用した取材の意味についてお話ししてもらった。イラクで武装集団に拉致された日本人事件のレポートや、玉本さんが取材するテレビ映像などの交えながら、誰でもが撮影できるビデオ機材の普及によってビデオ・ジャーナリストの活動も劇的に変わったことを説明した。

もちろん、こうした説明も面白かったのだが、圧巻は後半のイラクの最新映像をまじえたトークであった。フリー・ジャーナリストとしては、イラク報道の中心である首都バクダッドを拠点にしたいと思った。ただ、同僚の綿井健陽さんが滞在されたと同じく、バクダッドではホテルに入ったら、まったく外には出られず、ましてや一般人との会話をする余裕はまったくないとのこと。治安が不安定で、それこそ命を賭けた取材はできても、一般人とゆっくりした話をする取材は不可能であるため、比較的治安の安定した北部クルド人地区に拠点を構えて、国内避難民や市民の生活を取材しているとのこと。

彼女の取材で明らかになった点は次の点である。

1.9.11事件前後の外国人誘拐事件グループは、ごく普通の市民がやむにやまれる状況で実行したのであり、テロリスト=プロの兵士という図式は成立しないこと。もちろん、その後は状況が悪化して、外国人やプロの関与が濃厚となっているにせよ、過激な行動をおこなう人々を安易に社会的な脱落者と見てはいけないことを当事者に直接インタビューして、実証したこと。

2.イラクは、長年戦争が続いていながらも、市民の生活は比較的裕福であり、治安が不安になりつつも、その生活が維持されていることである。バクダッドやその他の治安が不安定な地域からクルド人地区に避難してくるイラク人が多数いる。しかし、彼は着の身着のままで移住してくるのではなく、全財産を抱えて移住してくるために比較的裕福であること。もちろん、大金持ちの人々は早めに海外に移住している人もいるが、そうでない人々は外国に避難するよりも、国内のより安定した地域に避難している。ただ、国内避難民の生活も、家賃はかなり急騰しているが、日本人のアパートに比べれば広いところに住んでいること。

3.イラクのクルド人地区のイラク国境周辺都市では、フセイン大統領の命令でガス攻撃で人口7万人中5千人が死亡した。イラクでは広島・長崎の原爆投下はかなり知られている。そこで、玉本さんは、日本の原爆被害について、イラクで原爆展を開催して、両国の交流を深めようとした。もちろん、原爆被害者としての日本だけではなく、大陸での侵略をおこなった加害者としての日本の側面も展示したとのこと。この原爆展は、かなりの注目が集まり、国内外のメディアはもちろん、市民の参加も多かったこと。

彼女の講演を聞きながら、私は、撮影していた。もちろん、彼女の許可を得ていた。しかし、講演の後半になって、佳境に入ってくると、話に引き込まれて撮影を忘れていた。それだけ彼女の話と映像の迫力があったということである。つくづく自分が情けない。ということで、前半のダイジェストしか撮影できなかったのだが、ご容赦を。

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イラクからのまなざしー当たり前だけど、そこでも、いつもの生活があるー

紛争地域からの映像は、様々な媒体を通じて伝えられる。それはニュース性がある点で貴重である。しかし、戦闘場面や悲惨な光景を見続けると、視聴者の意識には、その地域ではそうした事件との関連でしか思い出されない作用が働く。つまり、その地域では戦闘しかないのだと。

けれども、戦闘に明け暮れる兵士はともかくとして、一般人は戦闘の被害者であっても、加害者ではない(はずだ)。かれらの生活こそが実は大事なのだと思う。もちろん、紛争地域における一般人の生活にも紛争の影響は色濃く反映しているが、だからといってそれがすべてではない。紛争地域をテーマにしたジャーナリストの仕事では、その生活を取材した作品に強く惹かれる。つまり、戦闘があってもなくても、どこにも同じような人々がいて、ごく普通の喜怒哀楽をまじえた生活があるのだと。

アジアプレスの玉本英子さんは、イラク・トルコ取材を精力的におこなっているが、戦闘場面よりも、一般人の生活に焦点を当てて取材している。彼女に、「なぜ戦闘場面じゃないの?」と聞いたことがある。すると、戦闘場面を撮影することも大事だけど、市民生活を撮る方がもっと大変。でも、それを伝えることが私の彼らに対するお返しだと思うというような返答があった。もちろん、兵士を撮るとしても、戦闘場面ではなく、日常生活を撮っている。

そんな彼女の講演会が10月20日精華大学で開催される。

テーマ自体は、ビデオジャーナリズムの可能性についてだが、イラクの最新映像もふんだんに取り混ぜながら、話してくれます。

ぜひお越しください。

以下が案内です。

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第92回 マルチメディア講演会

日時:2006年10月20日(金)

時間:18:00-19:30

会場:情報館メディアセンターホール

     http://www.kyoto-seika.ac.jp/access/index.html

講演者:玉本 英子(アジアプレス・インターナショナル ビデオジャーナリスト)

事務局:情報館メディアセンター(Tel: 075-702-5140)

入場無料

演題:

報道を変えるハンディカメラの可能性

―戦争後のイラクでは何が起こっているのか-

講演要旨:

近年の海外ニュースにおいては、東アジアやイスラムの事件を聞く機会が増え ました。しかし断片的なニュースがどれだけ報道されても、わたしたちには理 解できないことが多くあります。海外報道を認識するためには、その地域や時間について考える視点を育てることが必要です。今回は玉本氏に、現地イラクの映像と共に、ビデオジャーナリズムについてお話しいただきます。参加者の皆さんもディスカッションで多いに語り合いましょう。

講演者プロフィール

玉本英子(タマモトエイコ)1966年、東京都出身。アジアプレス 大阪オフィス 所属。デザイン事務所を退職後、ビデオ取材を始める。クルディスタン、コソ ボ紛争、アフガニスタンの女性たちなど、ビデオを中心に取材、発表。「明日起こる危機〜コソボ」(テレビ東京)、「伝統音楽に生きる〜トルコ」(NHK福 岡)、「イスラムに生きる〜公開処刑されたアフガニスタン女性」(NHK総合)、「Lifting The Veil」(イギリス・Channel4ドキュメンタリーDispatches-アフガニスタン取材)など。イラク武装勢力「アンサール・スンナ軍」「イラクの聖戦アルカイダ機構」インタビュー(2005)、イラク軍従軍取材など、テレビ中継を含めた現地リポート(日本テレビ)など。共著に『アジアのビデオジャーナリストたち』(はる書房)がある。

(ウェブサイトより http://asiapress.org/index.html

アジアプレス・インターナショナルは、文章や写真、映像を通して、アジア、そして世界の様々な問題を伝えていこうとするジャーナリストの集団です。 1987年10月、フリーランスのフォト・ジャーナリストの集団として発足しました。アジアに古くから伝わる「結(ゆい)」のようにお互いに援助しあう心を持つ、インディペンデントなジャーナリストのネットワークと位置づけてもよい かと思います。

(以下中略)

現在、アジアプレスのメンバーは約30人。メンバーの活動領域は、アジアにとどまらず世界のほとんどの地域におよんでいます。テーマも政治から文化まで 多様化しています。

(以下中略)

私たちはアジアの人々から学び、そして勇気づけられる体験を通じて、インディペンデントなジャーナリズムの極北に立つ意志を固めようとしています。アジアプレスは独立系ジャーナリズムの潮流を形成しながら、メディア変革を主体的に担っていく決意です。

アジアプレス・インターナショナル代表 野中章弘

(ウェブサイトより http://asiapress.org/index.html

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人間の文明を宇宙人に伝える方法とは

 今日は、大学コンソーシアムの仕事である大学に調査のためのヒヤリングに行ってきた。ヒヤリング調査自体は面白かったが、その大学に行った折には必ずおじゃまする研究室がある。地球科学や文明論を研究しておられる原田さんである。大学教育の改善に向けて獅子奮迅の活躍をされているだけでなく、専門研究と同僚教員とを結びつけるアイデアをいつも持っておられる。

その話の中で、面白いことを聞いた。人間文明を他の生命体にどう伝えるのかという方法として、宇宙博物館という構想を出している研究者がいるとのこと。その構想とは、人間のあらゆる活動を記録したデータ(音声、文字、写真、動画など)を光に変換して、それを宇宙に対して発信し続けるというものである。

いくら情報を発信することができたとしても、他の生命体がそれを理解できるとは限らないのではという疑問が沸くが、原田さんによると、人間の発信する情報は、他の生命体からするとそれはまったく異なるアルゴリズムにもとづく情報なので、暗号と同じである。ただし、暗号というのは、解読されなかったことは一度もない。いつかは解読される運命にある。

ということで、他の生命体も人間から発信された暗号を解読するであろう。それがはるか彼方の生命体が何万光年先であっても解読されるように、光に変換して発信するプロジェクトを続けることで人間の文明が継承されるのである、とのこと。

原田さん自身も同じような構想を持っているが、その場合にはアナログ情報だけであって、デジタル情報は発信できない。彼は、アナログ情報の重要性を説くことで、人間の現実生活の振り返りをしようとしている。

いずれの構想もスパンが長く、また視野が広い。これらが実現するかどうかはわからない。しかし、一見すると突拍子もないアイデアを聞きながら、日々の教育や研究を見つめる機会は、多忙な中でも貴重な時間である。

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『天使の卵』富樫森監督、村山由佳原作者登場

『天使の卵』監督・原作者の映像を見る

(ダウンロードするか、iTunes for mac/winで見てください。)

 今日は、京都学生映画祭典当日。京都シネマのインターン生が企画する30分間の監督を交えたトーク企画の本番だった。映画祭典自体が学生が中心で企画されているのだが、台本作成から出演者との打ち合わせ、会場整理、受付などのすべての担当をこなした。

トークイベントでは、司会がインターン生の北村夏子さん以外は、富樫監督、その他映画制作の裏方を務めた学生ボランティアが参加した。故相米慎二監督に師事していた富樫監督がいい。慣れない学生司会者から発せられる、答えるのが難しい質問に、どう答えようかと考える表情がいい。

映画は、「ウォーターボーイズ」などで有名になった市原隼人、年上の恋人精神科医師小西真奈美、報われない恋人の沢尻えりかなどの人気俳優が透明感がありながらも、残酷な青春を演じる。純愛やひたむきな愛へのあこがれを風景の移ろいと絡めているしっとりとする映画である。

上映終了後、富樫監督と原作者の村山由佳さんの対談がおこなわれた。石田衣良さんと直木賞を同時受賞された作家さんとは知らなかったが、参加者を巻き込みながらのトークは、読者をよく知っている表れだと思う。フォロアーからの質問コーナーになると、10歳の時に『天使の卵』を読んだ18歳の高校生や、挙手したマイクが回ってきたが、感動のあまり数分間声が出せなかった30前の女性など熱烈な村山ファンも来ていた。

f:id:ytsutsui:20061008164635j:image

原作者の魅了はもちろんのこと、映画スタッフの意気込みが感じられるイベントだった。京都シネマのインターン生が本格的に関わる最初のイベントだったので、私も裏方で参加した。しかし、その気持ちは、幼稚園の運動会で我が子が走る様子を撮る親のように、彼らの動きを冷や冷やしながらも、楽しげに撮影していたのだった。まずまずの出足で安心した。

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学生三人一緒で、京都シネマ入場料が一人千円になる割引開始!

 インターン生の企画として、京都シネマ側と交渉して実現した大学生の割引企画です。既に高校生向けの割引制度はありますが、京都は大学生が多く、彼らに足を運んでほしい、という気持ちを込めて京都初の試みをしました。

割引の詳細は、大学生3人以上で映画館を訪れた場合、入場料を300円引きの1000円にするサービスです。期間は11月30日までの2カ月間で、水曜日を除く平日に実施しています。今話題の「フラガール」やまもなく上映の「木更津キャッツアイ」も割引で見られます。

また、新風館のCMコンペも現在作品募集中で、10月30日に新風館で選考イベントがあり、入賞作には京都シネマの入場フリーパス(すごい!)や商品券が送られ、11月の1カ月間、京都シネマで上映される。学生向けのコンペは25日まで受付中です。詳細は、ここまで。

さらに、8日には京都学生祭典にも参加して、映画「天使の卵」の監督・学生スタッフが登場するイベントも主催します。10〜11月は、彼らのイベントが目白押しですので、私も側面援助で頑張っています。以上のイベント広報のため、学生が地元テレビ番組に登場しました。

映像は、ここにあります

映像は、Quick Timeで見てください。インストールされていない場合には、

http://www.apple.com/jp/quicktime/download/

からソフトをダウンロードしてみてください。

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紙は、近い将来貴重品になるー中西印刷専務の話ー

 先日、ラジオカフェで中西印刷専務の中西秀彦さんをお招きして、お話を伺った。テーマは、

「電子出版と紙出版の行方と私たち〜市民の情報発信の拡大と出版の可能性〜」と題して、印刷・出版業界の

話から将来のわれわれの生活の変化についても語っていただいた。

出版印刷業界は、売れ行きが大幅に低下しているところで、危機に瀕している。その中で、市民の情報発信を促進する環境は高まっているが、業界自体はそれに追いついていないし、また有効な突破口を見いだせないでいる。

その中で、本の愛好者としては、コンテンツよりも、紙という形態に限りなく愛情を持ちつつも、経営者としては、紙からの脱却を図ろうとする両面を持っているとのこと。中西さんが話された内容で一番衝撃的だったのは、「近い将来、紙は貴重品になります」ということである。なぜ貴重品になるのか。それは、現在急速に経済成長しているインドと中国という人口大国ではまだ紙の消費がわずかだが、日常生活に本格的に紙が使われると、爆発的な消費量となる。そうなると、紙はもはや本に使うことはできないであろう、ということだった。

そこで、本は、紙から電子本や電子ペーパーへと移行するであろうが、どのようになるのかはまだ未知数である。ただ、

紙とか電子化とか、いろいろ技術的なことはあるにせよ、それを提供する側と、受け手(消費者)との間にきちんとした需要と供給の関係が成り立っているのかという意見も会場から寄せられました。

消費者のニーズよりも、安定した既得領域で商品開発したがる業界の体質は、失敗に終わるだろうとのこと。軽妙なかたりくちの一方で、衝撃的な話が次から次へと飛び出してきた二時間であった。

中西さんと知り合ったのは、1990年代末、NPO学会学会誌のオンラインジャーナル化に携わったところからだった。木版印刷や活版印刷という伝統的な印刷会社としてトップクラスの位置を占めながらも、新しい時代へのチャレンジとして、オンラインジャーナルにも全面的に乗り出している。そういう実績を買って、たびたび一緒に仕事をすることとなった。

オンラインジャーナルへの理想が高すぎて、その学会誌オンラインシステムのインフラを提供していた科学技術庁や文部省とは折り合いがつかなかった。私も、学会の位置をめぐって、かなり批判されたものだった。そうして批判されながらも、最終的には私や中西さんの理想へと近づいているのである。

小松左京さんとも親しく、小松左京研究会の代表をつとめるなど多彩な趣味が、経営にもプラスになっていると思う。中西さんと久しぶりに一緒に仕事して、また一歩先んじられてしまったという気がする。

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トライアド・インタビューを授業で使ってみる

 最近、授業方法をいろいろ試してみようと工夫している。

前期までは、散発的に始めたトライアド・インタビューが意外に好評なので、いろいろの授業で試している。この方式は、早稲田大学の向後千春さんが始めたもので、三人組になって、話し手、聞き手、書き手の三つの役割を交代しながら、インタビューをおこなっていくものだ。

千葉大学の研修会で、その模様を撮影したビデオを見せた。といっても、撮影担当が専属につくわけではないので、固定式カメラで流し撮りをしただけであった。三人、あるいは四人組になって、役割にしたがってインタビューを進めていくのだが、この様子を見た教員が、「学生同士でインタビューをしている間、教員は何をしているのか」という質問をしてきた。彼は、教え込みの授業タイプなので、それをしない授業がイメージできないようであった。

私は、「グループ内で順調に話が進んでいる場合には、教員は干渉しません。うまくいっていない時だけ少しサポートしますが、それも軌道に乗ってくるまでです。このインタビューの場合、一番大切な役割は聞き手です。聞き手が工夫してやると、話し手も話せるようになります」と答えた。

こういう経過もあって、後期はできるだけ多くの授業で試してみようと思う。二年生ゼミでは、新聞記事を作成後、それについてインタビューをするし、三年生ゼミでは、卒業研究の進展について学生同士でインタビューしようと計画している。

また、大規模授業でも導入しつつある。先週はオリエンテーションをして、今週からインタビューを始めたが、そのまとめをメールで送るように指定したが、これはあまりにも煩雑なのでやめようと思う。代わりに、ブログのコメントに書き込むことにするつもりだ。

最初はとまどうこともあるが、学生はすぐに順応するようだ。前期の講義でも活用したら、授業評価でこの方式が楽しいという意見が多かった。

問題は、前半の授業と、後半のトライアド・インタビューを関連づけられればいいのだが、これは前期の授業経験からいって、難しい。授業で話した用語を媒介にしてテーマを決めていきたいと思う。この模様については、また後ほど。

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SOBORO/ゼミの打ち上げをCOCON烏丸で

 9/8-/10横浜イベント、9/10京都イベントに筒井ゼミ(二年生)も半数以上が関わった。

ここらでゼミの打ち上げをしようと思っていたところ、SOBORO反省会も兼ねて、打ち上げに参加させてもらうことになった。

場所は、会議場所であった、COCON烏丸の一室をお借りした。司会の太田航平さんが12日のイベントではワークショップが好評であったこと。しかし、これとその後のシンポジウムとの連携がとれなかったこと、運営上の不手際などを説明した後、ゼミ生やその他の方が参加した印象を話した。当面のイベントスケジュールは決まっていないが、今後準備するときには、有志が参加してくれるとありがたいという話があった。

ゼミ生が多かったので、太田さんの学生時代からの活躍を話してもらった。また、精華大の学園祭では、太田さんが主催するリユース容器が使用されたが、これは全国の学園祭で初の試みであること。その動きがその他の大学にも広がっていることなどを話してくれた。一区切りついたところで、打ち上げに移った。飲食物は、ゼミ生が準備して、容器は太田さんのリユース容器を使った。

太田さんの話や市民メディアの置かれている状況について、ゼミ生はまだほとんど知らないので、いろいろと疑問を持っているようだった。そこで、太田さんやラジオカフェの福井さんが直接説明してくれたので、ゼミ生はかなり理解が深まったようだった。

別に、環境保護活動や市民メディアの活動にすぐ理解が深まるわけではない。しかし、学生が自分の頭だけで考えている(多くは偏見)考えに当事者の事例や説明が重なることで、思考のブレイクスルーが起こるようだ。

ゼミ生以外の大人も参加し、また場所もビジネス街ということもあり、学生も抑制がとれた雰囲気で楽しんでいたようだ。外部の方を交えて、そこから刺激を受けていた。ただ、騒げばいいと言う打ち上げではなく、仕事をやり遂げた後の打ち上げの楽しさは身につけてもらいたい。

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携帯電話をテーマに高校生に話す

筒井の報告スライドを見る

 今日は、オープンキャンパス。入試の重点イベントとして全学的な取り組みだった。あいにく雨模様だったが、それにも関わらず意外に高校生の出足がいい。高校生や保護者向けの企画を練っているが、教員は、朝から夕方まで個人面談で対応する。昼前に、人文学部三学科から教員がそれぞれ出て、高校生向けに20分間ずつ模擬講義をおこなう。

今回のテーマは、携帯電話である。それについて、自分なりの切り口で受験生に訴える。私も含めて教員の多くは、携帯電話はともかく、携帯メールは苦手である。理由は様々だが、受信した携帯メールの多くは、自分の名前を名乗らない。件名を書かない。挨拶もなく、突然なれなれしい文体で書いてくるなど、散々である。

私はそれに加えて、PCメールから携帯電話にメールを送ると、受信拒否されてメールが届かないのが嫌だ。そういう不平を教員どうして話していると、ある教員がPCから送ったメールが、受信拒否されるどころではなく、スパムメールと認識されて警告が来たとのこと。その教員は怒りまくっていた。

このように若者の携帯メール中心生活とのギャップはなかなか大きいが、かといって携帯メールを忌み嫌うのではなく、それも研究テーマにできることを高校生に訴えたかったのである。つまり、好き嫌いと、研究することは別だということである。

報告では、ある大学のゼミ生が自身がやりとりしたメールを元に、メール文の特性を分析した調査結果を元に話した。

  1. 親と子供(学生)との間のメール文と、学生同士の間のメール文を比較して、前者では、挨拶用語(おはよう。元気。遅くなってごめんなど)がほとんど省略されているが、後者では省略されないこと。
  2. 絵文字・記号が含まれる(含まれない)メール文と性別との関連についてである。異性間、および女性間では含まれる場合が多いのに対して、男性間では含まれない場合が多いこと。
  3. 絵文字・記号などは、メール文のどこに付けられるかという点については、ほとんどが文末であること。

などを紹介した。

大学で研究テーマにする場合、こうした調査結果がほんとうに精華大学でも該当するのかどうか、あるいはなぜ性別間の相違があるのかなどいろいろ考えられる。私の報告を聞いてから、面談に来た高校生とは携帯メールについて話がはずんだ。何事も自分から発信すれば、話題が出しやすい。

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