19後期授業ボランティア募集(5)ボランティアはどのように集めるのですか?

過去6年間、大学の授業に学外からボランティアを募集する試みをしてきました。
「一体どうして集めるのですか?」と聞かれますが、「本気で集めようと思えば必ず集まります」と答えにもならない答えをしてしまいます。

でも、実際にそうなんです。「集まらないかもしれないとどうしよう」と心配するならば「集めるための呼びかけをしましょう」こう言っても、ほとんどの人は、私の言うことを信じません。

過去6年間、集まって来た事実は揺るぎません。秘策はありません。ひたすら、念じながら告知します。あちこちに告知はおこないますが、「あなたに来てほしい」と私からお誘いしません。

過去にお誘いしたこともありますが、あまりいいことがないので、お誘いはせず、ひたすら自分の熱情を告知に託します。

その結果、ご協力により、今年はほぼ集まりました。

「ボランティアをしたいので、是非参加したい」という方ばかりが集まりましたよ。
パチパチパチ!ありがとうございます。

そんなことで、今後希望者がおられても、後、1名で限度かと思います。

結果論ですが、おじさんが多いので、残り一名は違う方がいいなあと思いますが、それはまたその時に。いずれにしても、お急ぎください。ボランティア同士で早めに準備に入りたいので。ご報告と共に、お礼まで。

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2019年後期ボタンティア募集(4)【教師、学生、教師という伝統的な学びの場が学生の自主性を奪う!

2013年から、大学の授業を常時公開して、授業ボランティアを募集しています。また、Zoom中継して、オンラインの見学者にも入ってもらっています。

長く続いてきた学びの場(教師、学生、教室)をオープンにすべきだと思っています。
 かつて、スーパー教師が授業を変えるのはよくみられました。でも、今、最先端の挑戦をしている大学では、教師一人ではなく、第三者(Student Asistant、職員、ボランティア)などと一緒に改革しています。教師一人の頑張りの時代はもはや終わりです。教室という固定した場所はではなく、他の授業、企業、NPOなどと一緒に取り組むことが増えています。

つまり、オンラインも含めて、教室を越えた学びが増えています。学生は、受動的な学びから、自発的な学びへと転換することで、学ぶ意味が出てきます。「教師、学生、教室」というクローズドな枠組みから脱して、オープンな学びには、授業ボランティアが必要です。このことは、授業に関わるすべての人々にとって大きなメリットを与えます。

10月2日から京都工繊大ではじめる「リーダーシップ基礎2」に学外から授業ボランティアをやりませんか?

前例にとらわれずに、教師ができないことをやることで、学生が自発的な学びをはじめます。みなさんの力が必要です。既に何件かの問い合わせが来ていますので、残り1,2名でボランティアが確定します。希望者はお早めにお知らせください。

【実施大学】京都工芸繊維大学「リーダーシップ基礎2」(毎週水曜日15回)         
初回開講日:10月2日(水)午後5時50分〜7時20分
 最終開講日:来年1月22日(水)午後5時50分〜7時20分

以下を読んだ上で、お知らせいただければありがたいです。https://tsutsui-media.net/?p=3414では

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19後期ボランティア募集(3)なぜ授業ボランティアが大学の授業に必要なのか?


授業では、教師、学生、教室の三つがあるのが当たり前ですが、私はそれこそがおかしいと思います。


 伝統的な授業では、教師から学生に向けて、一方向で知識や考え他を教えます。あるいは、最近のアクティブラーニングの授業では、学生同士で考えるグループワークが重視され、教師は、ファシリテーターとしてふるまいます。
 いずれの授業であっても、教師が中心になって授業が進行していることには変わりない。


では、これからの教育においても、本当に、教師が中心になって授業しなくてはいけないのだろうか?
 私は、この問いに対しては、教師の仕事は、従来知識を教えることが主であると思われてきましたが、今後は、知識ではなく、学びの場を創ることだと思いますので、教師中心で授業しなくて良いと思います。


だからこそ、教師以外の学びの提供者として、授業ボランティアを存在が必要です。
また、この授業は、常時授業公開していますので、誰でも見学可能です。授業ボランティアの二歳の娘さんが来られたこともありますし、逆に、当時90歳の私の母が来たこともあります。


Wantedlyの告知文の下の方に母が宣言している写真が載っています。「沢山の人たちとおしゃべりして、お友達になりたい」と書いていますが、90歳とは思えない柔軟さです。
老若男女が誰でもが学べる場でありたいと思います。
授業は、10月2日から来年1月までの15週間ですが、私と一緒に授業を創るボランティアの方を募集します。
詳しくは、以下を読んだ上で、私にご連絡下さい。

https://www.wantedly.com/users/56507/post_articles/182199?fbclid=IwAR0QjJvpgXd2GNG_cvRN289mjxoaQyxu-CBIFt8wP5ROb47Wkd1VjadymTE

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19後期ボランティア募集(2)ボランティアが入った学びの場を創る

新しい改革をすすめるにあたって、現状を変えることは、新しい仕組みでも変えることが前提になる

江川さん 「先生の取り組みは、学校というしくみを変えてくれますね。」
コメント:変えることが前提でないと、やる意味はないです。
 もちろん、現状を否定して新しい物を創る道はありますが、私は、現状を変える中でできることが多々あると思います。
 教師が知識を教えることが主であるという固定観念を、そうではなく、教師や学生以外の人も入った学びの場を創るのが教師の仕事であると考えています。
 また、常に見学者が学外からやってきて、学生の学びの見守っていきますが、これも現状を変えます。 教えるのが教師でなくても、学生のロールモデルが教える中で、学びの同伴者を創っていくこと。
 以上の事は、大学の現状の枠内で変えていくことですが、このことは、現状と違ったまったく新しい組織を作ったときにも必要なことです。
 現状を変えながらも、実は、新しいことにも必要なことを問題提起しています。


zoomでオンライン参加者からのコメントがもらえる事も、現状で努力すればできますが、新しいものを作ろうという人であっても、オンラインにまで開こうという人は、多くないと思います。リアルが全てで、オンラインは、後回しと考えている限り、社会は、変わりません。

https://www.wantedly.com/users/56507/post_articles/182199?fbclid=IwAR0QjJvpgXd2GNG_cvRN289mjxoaQyxu-CBIFt8wP5ROb47Wkd1VjadymTE

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京都の大学でボランティア主体の参加型授業を創りませんか? 授業ボランティア募集!】

10月から、京都工芸繊維大学「リーダーシップ基礎2」の授業を創りませんか?

以下、一問一答形式で。

■大学の授業に、学外のボランティアが授業できるって本当ですか?
はい。90分間中80分間できます。でも、一回だけでなく、15回が基本です。

■本当に学外のボランティアが授業できるんですか?
はい。教員がいる場で、やりますので、可能です。

■どんな人がボランティアをしてますか?
年齢的には20歳前後から40歳過ぎまでの男女問わずです。職業的には、当初は、学生やNPOメンバー、カウンセラー、まちづくりメンバーが多かったですが、最近は、大学や高校の専任教職員も来られます。

■ボランティアに必要な資格や能力とはなんですか?
資格は不要ですが、唯一のお願いは、15週間最後まで一緒にやってほしいことです。途中でやめるのは寂しいですし、最後を一緒に祝いたいと思います。

■なぜボランティアと一緒に授業を創るのでしょうか?
教員が授業するよりも、ボランティアと一緒にした方が学生の学びが大きいからです。教員がやった方がいいところと、ボランティアがやった方がいい場合とがあるからです。

関心のある方は、以下を読んでいただき、希望者はご連絡頂けるとありがたいです。


【京都の大学でボランティア主体の参加型授業を創りませんか? 授業ボランティア募集!】

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2019年9月例会 一度だけではモノにならない「能」の呼吸法 ー和(わ)の息づかいで和(なご)むとはー

概要:
 「能」が健康やダイエットに効果があるんですか?
 あります!

 実は、「能」は、無意識に人体最大のインナーマッスルである大腰筋(だいようきん)を使って呼吸をしながら(「大腰筋呼吸」)、謡って舞っています。謡(うたい)では太くて朗々とした声を出し、舞(まい)ではしなやかで安定した構えとすり足歩行を実現するために、深くて力強い呼吸をします。

この「呼吸」は、息を吐く時に腹を前に張り出すことから「逆腹式呼吸」と言われますが、これがめちゃくちゃ健康にいい。

当日は、「能の呼吸法」を主題としていますが、参加者に、呼吸法、謡、舞の基礎を体験してもらいます。皆さんには今回の体験を機に、古典芸能に馴染みを持っていただき、日本の真の国際化を“軽く後押し”していただければと思います。

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▼ この例会は、こんな方に向いています
・呼吸法や発声法に興味のある方
・古典芸能に興味はあるがあまり観る機会のなかった方
・能は退屈なものと思っている方
・和洋文化の比較に興味のある方
・西洋、非西洋を問わず音楽が好きな方
・音楽を数理学で理解したい方

▼ 講師プロフィール:
 田中敏文さん
現職:シテ方金剛流能楽師、(公財)立石科学技術振興財団理事(非常勤)
1955年京都市生まれ、1981年4月オムロン(当時は立石電機)に入社、以来研究・開発に携わり、2019年3月退職。1983年能楽協会入会とともに、プロの能楽師として舞台活動開始。2010年頃から能の音楽に関する学際的な研究に取り組む。音響学で京都大学大学院情報学研究科と共同研究。

講師は、企業人と能楽師、先進技術と古典芸能、理系と文系、実演家と研究家、と対極する二つの立場で生きてきました。このキャリアを生かして、経験的な話しに終わっている謡の音声・音階を周波数解析して音楽音響理論で解明しています。

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「参加する」をクリックしただけでは参加完了にはなりません。
以下から正式の申し込みをしていただくようにお願いいたします。
http://urx2.nu/qQ3W
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▼日時
 9月21日(土)(12:30 受付開始) 13:00~17:00

▼会場
西川ローズ 寝装館 北山店
  京都市左京区下鴨南野々神町1-13
https://goo.gl/maps/XhoDfWLRc3L2
 地下鉄烏丸線「北山駅」(1番出口)下車数分

▼参加費
 一般       2,500円
 学生    2,000円

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「参加する」をクリックしただけでは参加完了にはなりません。
以下から正式の申し込みをしていただくようにお願いいたします。
http://urx2.nu/qQ3W
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【京都の大学でボランティア主体の参加型授業を創りませんか? 授業ボランティア募集!】

2013年から過去5年間、ボランティア主体の参加型授業を創る学外からの授業ボランティアを募集してきました。今年も募集します。


授業は、ボランティアよりも、精通した教員がした方がうまくいくと考えがちです。しかし、過去の経験から言うと、教員がやった方がいい部分と、そうでない部分があります。


経験のある教員の授業は、授業設計されて安心感がありますが、その安心感がえてして、学生の学びにつながりません。
その逆に、ボランティアが授業をすると、教員ができないような素晴らしい挑戦をしてくれて、結果的に、学生の変容が大きくなります。

特に、学生の学びの同伴者としてボランティアの力は圧倒的です。私は、毎回、ボランティアから多くの学びを得ています。

私の授業では、ボランティアは、教員の補佐ではなく、独立した存在として、大学や学生の学びに関わります。授業も常時公開していますので、学外からの見学者も来られます。


「今の大学の授業はダメ」という否定論を言う人は多いですが、それよりも、
「自分で創った授業を大学で実践し、」「批判するよりも、創り出し」ませんか?

後期の授業で、授業ボランティアになってみませんか?

ボランティア希望者は、できるだけ早めにお知らせください。一緒に授業を創るためにも、互いのことを知る時間が重要です。


詳しくは個別に説明しますので、以下は簡単に。
授業ボランティアは半期交代で、毎期1〜3名程度。過去35名以上が参加。
授業は9月〜来年1月までの毎週15回実施されますので、何度かの不参加はあっても、最後まで一緒に創っていける方にお願いしたいです。

過去の授業動画:2013年「グループワーク概論」
http://bit.ly/1tOKnvY

授業関係者と一緒に以下の本を出版しました。
筒井 洋一他編著『CT(授業協力者)と共に創る劇場型授業―新たな協働空間は学生をどう変えるのか』東信堂、2,160円
http://ur0.link/LxOb

【実施大学】
京都工芸繊維大学「リーダーシップ基礎2」(毎週水曜日15回)         初回開講日:10月2日(水)午後5時50分〜7時20分 最終開講日:来年1月22日(水)午後5時50分〜7時20分

授業概要 :                                 「自分が学びたい授業を自分で創る」チームのパフォーマンスを向上させるファシリテーションのスキルやマインドを学んだ上で、学生自身が学びたい授業を実際に創る

追記:
1.この授業には、学外からの見学者が来ます。
2.授業シラバスは提出済みですが、毎回の授業設計・運営は柔軟に対応できます
3.授業ボランティアには謝金は出ませんが、食事会などで配慮します。

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【8/6 PCカンファレンスの  基調講演をZoom中継します!    参加者募集!】

PCカンファレンス(甲南大学)の基調講演・シンポジウムをZoom中継します。

私は、二年前から、カンファレンスでZoomについて発表していたのですが、ICT教育の学会と言っても、Zoom中継は初めてです。

私は、以前この学会で副会長を勤めていたので、Zoom中継の実物を見てもらおうと企画しました。

基調講演は、100m走で、桐生選手が10秒を切る前、10年間最高記録を持っておられた伊東浩司さんです。甲南大の名物教授です。

その他、スポーツデータサイエンスなど、アスリート競技にAIなどが導入されている現状と今後について語っていただきます。

オンライン視聴参加希望者は、 ここからお申し込み下さい。

8月5日までに Zoom URL が送られてきます。

では、お待ちしていますよ。
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Zoom中継予定 8月6日(火)
■ 基調講演1 
「変動するスポーツ現場」                           11時30分    Zoomを開けます                    12時〜13時   基調講演1 視聴
■ 基調講演2 
「スポーツデータサイエンス」                       13時〜13時50分 基調講演2
■ シンポジウム1 
「スポーツと教育とデータサイエンス」                  
        15時15分     Zoomを開けます                   15時45分〜17時 シンポジウム 

8月5日までに Zoom URL を送ります。

オンライン参加費:無料
オンライン参加の入退室:自由です。ご都合のいい時に入退室下さい。

オンラインで参加される場合には、ファシリテーターがおりますので、その指示に従ってください。

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【教師は、授業のプロデューサ(ジェネレータ)となれ!】

この間、【フリーライダーのいないグループワーク】や、【教師が手をかけないと、学生がどんどん自分で伸びていく】の中で語っていることは、既に2015年に出版した本(筒井洋一他編著『CT(授業協力者)と共に創る劇場型授業―新たな協働空間は学生をどう変えるのか』(東信堂、2015年))にも書いており、その後も学会発表で何度も説明しているのですが、なかなかイメージがつかめないようです。

でも、最近評判の書籍(井庭嵩編著『クリエイティブ・ラーニング』)を呼んでいると、よく似た指摘をしています。私は、教師の役割をプロデューサーへの変容と言っていますが、井庭さんは、ジェネレーターと呼んでいます。説明は違いますが、要は、教師の役割が変容してくる点が共通しています。

私は説明する時には、いつも次の図を見せながら説明しています。

私の授業では、授業に関わる関係者(ステークホルダー)が、学生、教師、それ以外に授業ボランティアや授業見学者もいます。ここでは、授業ボランティアと授業見学者をまとめて、第三者(や媒介者)と考えて、教員、学生、第三者による学びの共同体が授業である、というイメージです。

当初、第三者が教員の補佐的な立場に立つ場合があっても、授業を経る中で、第三者が教員から離れて、学生や教師とも対等な関係に立ってくるということが起こります。場合によれば、第三者が学生に近づくこともあります。

いずれにせよ、この授業を経る中で、すべてのステークホルダーは、教師に限らず、学生も第三者も役割をどんどん創造的な立場に変えていくことで、授業が創造的な学びの場に変容していきます。

井庭さんとの違いをあえて言うとすれば、私の授業では、第三者が参加しており、また、学生自身も変容が起こります。

15週間の中で、最初の数週間は、学生は受け身的な立場に立っており、第三者も教師からなかなか離れられないものですが、授業の前面に立っている授業ボランティアと学生が変容をはじめることで、見学者や教員にも変化が起こります。過去6年間の経験からすると、この変容時期はかなり異なりますが、どんなに遅くとも7週までには変化が起こるのであり、変化は必ず起こります。

教師は、単に学生との間でのファシリテーターにとどまらず、より主体的でより創造的な場を作るプロデューサーをめざすことが、未来の学びの同伴者となります。

こういった枠組みに基づいた授業を過去6年間やっています。実にやりがいのある刺激と創造性に満ちた学びの場が現出しています。そうした場で挑戦する授業ボランティアなしには、これはなり立ちません。今年度後期授業でも、授業ボランティアを募集予定です。15週間、私と一緒に授業を作りたいという方がおられればうれしいです。過去35名のボランティアは逸材揃いであり、彼らの挑戦に心から敬服しています。

参考までに、

2013年前期授業の動画は、以下です。

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【教師が手をかけないと、学生がどんどん自分で伸びていく:京都工芸繊維大学リーダーシップ基礎1】


先日、「フリーライダーのいないグループワーク」と題して京都工芸繊維大学の授業を紹介しました。
昨日、その授業の全体発表(第7回)が終わりました。この授業では、学内教員6名と私が関わっていますが、教員はほとんど手を出さないでも、学生がどんどん伸びていきます。私のひいき目ではなく、他の教員や見学に来られた方も異口同音に、「他の授業ではあまり活発ではない一年生が、なぜこんなに積極的に取り組むのか」という疑問を発せられます。

優勝チームの表彰

学内教員6名の関わりですが、多くの方は、嫌々担当させられた方ばかりなので、雰囲気はよくないです。例外的に積極的に関わりたいと言っていただける方の場合、派遣元の学科ではこの授業に対する評価が最悪で、この授業に関わることで針のむしろだとおっしゃってました。ですので、非常勤講師の私がおそるおそる学内教員とおつきあいする感じです。

一位チーム決定後に、教員・SAからのコメント

第3回目に、パナソニック株式会社スペース・メディア創造研究所の部長から課題「京都市の中心市街地(洛中-上京~中京区エリア)を対象に新規参入する民間事業者として起業するとします。どんな街をつくりたいですか。その夢を誰と共有しますか。そこでどんなビジネスをしたいですか。」をいただいて、学生は4,5名のグループに分かれて発表準備をしました。

学内教員の意欲はもう一つですが、学生側の意欲はかなり高いです。グループは、専門をシャッフルして、新しいメンバーばかりで取り組みます。グループ分けに際しては、Big5の調査結果によって、ソーシャルスキルや達成意欲の高い学生を必ず入れています。過去3年間やっていますが、これに従って分類すると、途中で崩壊するチームがなくなります。もちろん、実際の行動面ではチームがぎくしゃくすることはありますが、最後までチームが維持されています。これはありがたいです。

第4回目にチーム分け発表、チームのテーマ話し合い、第5回目がクラス内での中間発表、第6回目がクラス内での発表で、上位にチームを決定します。第7回目には、パナソニック様を含めた審査委員を前にして、上位4チームと敗者復活戦で進出したチームが一位を競い合います。

一年生前期の授業ですから、リーダーシップ理論、調査法、プレゼンの仕方などはまったく教えません。昨年は、こうしたことを教えてから発表すべきだと言われましたが、あえて教えていません。学生に任されています。

第5回目の中間発表では、お世辞にもいい発表はないです。それが二週間後の第6回目のクラス発表になると、調査を含めて、説得力を増してきます。上位5チームによる第7回目の全体発表では、さらに急激に完成度が上がってきます。

授業の時だけ学生のグループワークに関わっている学内教員も、学生の伸びの著しさに驚嘆の声を上げます。発表だけでなく、それに対する質問も審査委員に混じって発言します。昨日は、興奮の中で終わった感じでした。

フロアーからの質問。あちこちから手が上がる。

教員があまり細かく教えないのに、なぜ学生が学びはじめるのか?
教員がきっちり教えないと、学生は自分から取り組まない、と思われていますが、それは逆です。

むしろ、教員が教えないから学生が学びはじめます。学内教員に「ご自分が担当されている授業ではかなりいろいろ授業されているはずですが、この授業を担当されても、そんなに忙しくないでしょう。教員が忙しくなくても、学生が自分で準備しはじめることがわかって頂けるとありがたい」と言いました。

教員が教えすぎないと学生が自分から学び出す。これを検証するために、私は、2013年から新しい授業に取り組んでいますが、毎回これが証明されます。

そこには、もう一つ秘密があります。工繊大の授業では、昨年度の履修生の中で、一年生と一緒に学んだ行きたいという上級生がSA(Student Assistant)います。彼らが授業の進行から、グループ内での取り組み、授業外を含めて全面的にサポートしてくれます。

教員からSAに「こうしてほしい」ということはほとんどありません。むしろ、SAから「次回はこう変えたいのですが」という提案が一杯やってきます。その提案すべてを受け入れて、後は、SAにおまかせすることで、学生とSAとの学びのコミュティーが生まれてきます。ここにはほとんど教員はいません。私もSAがどんな努力をしているのかがわかっていません。それくらい、SAは教員と別行動で動いています。もちろん、必要な場合には連絡してくれるので、ますます信頼感が高まります。

教員は、まず、教えすぎないことです。それによって、学生は教員に頼るのではなく、自分たちで取り組む必要があることを認識します。あるいは、最初に宣言する方がいいです。私の場合、「筒井は何も教えてくれないとか、もっと授業すれば良いのに、なぜしないのですか?」という学生のコメントが寄せられることがありますが、「それらのコメントは、私への激励だと受けとめています」と最初に宣言しておきます。

教師が教えないことで同僚からネガティブな印象を持たれることがありますが、それを気にせず、学生自らが学びはじめることを大切にできるかどうかです。

さて、みなさんはどうされますか?

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