教員の仕事として、授業を担当することなっているので、授業時間開始から終了までに精一杯するものという気持がある。
でも、もし授業の中で、学生の変容を促進しようと思えば、むしろ、授業前と後が効果的だ。
本日は、授業後の話し。
授業は、10分程度の休憩をはさんで別の授業になる。しかし、2限(10時40分〜)終了後と、5限(4時20分〜)、6限(5時50分〜)だと後の授業がないため、工夫できる。
振り返りの効果が高いので、授業最後に振り返りシートなどでコメントを書いてもらうことは多い。でも、それはあくまでも個人の思いだけであって、他の人はどうかはわからない。
6年前から、私の授業では、授業終了後に、教員、授業ボランティア、見学者、それに学生有志を交えた振り返り会を開催している。学生はバイトなどの用事があるので、残れる学生だけの参加となる。
参加者から本日気づいたことを順番に話してもらうだけだが、これによって、他の学生が思っていることがわかり、学生以外の方の意見も知ることができる。場合によれば、見学者から学生へ、学生から他の方へと質問も出る。
このとき、学生が考える機会を増やすことが必要なので、ボランティアや教員が、学生に、いわゆる正解を言うのではなく、問いには問いで返すことが重要だ。
正解を言わない代わりに、異なる人々が一同に会している中で学生が何かを考える場というのは、私が考える「町歩きしながら考える授業」をイメージしている。
ここに集まって来る学生は、その後の授業で大きく変容する。
つまり、授業とは授業内よりも、その前後を生かすことが大きな飛躍となる。
これがわかったのが6年前だった。
30年間大学で授業してきた身としてはなんとも遅すぎたが、それでも継続する楽しさは、学生、ボランティア、見学者からの頂き物だ。
60歳過ぎても、楽しく生きられています。