19後期授業ボランティア(7)影響力という魔物

【価値観カードで自分を見つめる】
10月からの授業準備の真っ最中です。

今週、授業で実際に使う予定の価値観を表すカードをボランティアとやってみた。価値観を表すカードから、5枚引いていき、最終的に自分にもっともぴったりするカードばかりを残していくというものだ。

自分が何を大切にしているのかを考えながら、このカードは捨てるか、残すかを決めていく。

ある時、「影響力」のカードが来たが、捨ててしまったこと理由を後から尋ねられた。

「筒井さんはもう影響力があるから、このカードがいらないんですか?」と聞かれたので、
「いえ、影響力がほしいと思ってないので捨てました」と答えた。

私一人で大学の授業することができるのを、わざわざボランティアの方と一緒にやっている。これは、一人だけでするのに比べて、ボランティアに事前に知らせて合意を取る手間をかける点で手間がかかる。

影響力というカードから、以前のことを思い出した。

以前、ある大学でボランティアをいれた授業をやってみたいという教員がいたので、ボランティアを集めたことがあった。

準備過程で、ボランティア同士の連携がまだうまくできなかったので、授業直前に授業ファイルの変更・印刷などが入った。これに教員がたいそうイライラし、「こんなに手間がかかるんだったら、一人でやった方がまし!」と大声で叫んでいた。これは私ではなく、別の方のことです。

この方は、これまでどおりの授業準備でやると、ボランティアに任せることがとても面倒になり、教員一人でやった方がいいということを言ったのだった。

影響力というカードから、このエピソードを思い出したのは、影響力を行使しうる立場の人が、影響力を保持したまま、他の人を自由にふるまってもらおうとすることに無理がある、ということです。

授業を担当する私は、授業の運営に関しては影響力を行使しうる立場にある。なので、もしボランティアが自律的に活動してもらうためには、私自身が影響力を捨てるつもりが必要である。

もちろん、私とボランティアとの間には、授業の最後まで互いに信頼関係を持ちながら、授業のゴール実現に向けて取り組むという合意がある。その合意があれば、教師の影響力を保持するよりも、ボランティアの自律性を信頼した方が、結果的に、素晴らしい授業が生まれる。過去六年間、必ずこれが起こることが最大の魅力である。

しかし、実際にはボランティアを信頼するよりも、影響力を保持すること固執する人が多い。かくいう私もそうなりかねない。

そこで、相手を信頼して任せることで、結果的に、いいものが生まれれば良いという体験する方が増えてこないといけないのであり、私自身がボランティアと一緒に取り組むことは、そうした体験をする方を増やそうとしているのかもしれないと思うようになった。

形式上は、ボランティアを生かすことが大切であるが、実質的には、私自身を鍛える機会をもらっているのだと思う。

こういうありがたい機会があるのだから、ボランティアと一緒に授業を作ることがやめられない。

授業見学に来て頂けるとありがたいです。
希望者はここにコメントして頂けるか、メッセージをいただけるとありがたいです。

10月2日(水)から毎週水曜日
1)午前10時40分〜12時10分 
  大谷大学「大学の学びを知る」

2)午後 5時50分〜 7時20分 
  京都工芸繊維大学「リーダーシップ基礎2」

カテゴリー: アクティブ・ラーニング, 人材育成, 大学 パーマリンク

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