「らくだ銀座」

既に二週間も経過したのに、今さら山江村でおこなわれた市民メディア交流集会について書くのも気が引けるが、やはり書いておきたい。

私にとっても、この集会への参加は、ここ数年の出来事では一番印象深かった。

多くの方との出会いもあったし、山村で60〜70歳代の方々がテレビ番組制作に生き生きと活動されていることを見て、私も負けていられないと思った。

自分を叱咤激励し、新たな楽しみを提供してくれた機会でもあった。

その一つは、Podcastingであり、「ケロログ」の学術サイト(http://www.voiceblog.jp/car.php)では、ついに4位ランクされている。いまだにアクセスが増加しているのを見ると、このツールのおもしろさが広がっているのだと確信した。

(でも、これ以上のランクに上るためには、もっとコンテンツを考えないといけないが、その時には学生諸君も加わってくれるとうれしい。でも、やってくれるだろうか? 新しいことやトレンドの先を行く感覚にうといと、なかなかねえ。)

話を戻す。今日、書き留めておきたいと思ったことは、山江村で出会った二人の人たちである。

初日夜のバーベキューパーティーの途中で、ゲストの紹介があり、そこでいきなり大声で演説を始めた女性がいた。既に宴もたけなわで、三々五々小さな輪での話に夢中になっている時に、「ばらばらに話すのではなく、こっちを聞け!」と言うお達しである。いくら言っても状況が変わらないので、しかたなくそのまま話し続け、みんなが一つになって作り上げないといけないと力説していたような。

それを聞いていた私は、場違いな女性が声をどなりあげているなあ。それにしても、元気な姉さんだなあ、と半分感心した。その時はそれで終わった。

その後、二次会で宿舎の一室に集まった時にすぐ近くに座った。

私が来たときには、既に自己紹介がはじまっていたが、なにかギスギスしていた。言葉じりをめぐって言い争いが時々起こる。そんな時に、この二人は負けずに参戦する。最後には、かれら二人とその他大勢になったようだ。途中まで私なりに雰囲気を和らげようといろいろと努力したが、功を奏さず自室に退室した。隣で大声でやりあうのが聞こえながらも、もはやどうにもできなくて、私はPodcastingの作業をしていた。

後で二人から聞いたが、参加の打診や集会の運営方法について、誤解があったようだ。いまさらそれを言ってもどうしようもないことだが。

ただ、私にとっては、彼ら二人はなかなか頼もしく見えた。彼らは、市民メディアの関係者とはじめて会ったので、基礎的な事を知らない。だが、そんなことよりも、彼らは何か創り出すタイプに思えた。

二日目の懇親会では、二人とみっちりと話し合うことができた。要は、映画が好きで好きでたまらない二人が、過疎化の中で自信を失っている地方都市の人々を叱咤し、批判し、時には罵倒し、一時は離れつつある人々が再び集まりだし、最後に映画を自らの手で作っていくプロデュースを手がけているのである。まさに映画を地で行く

まったくのよそ者が入っていって、数ヶ月間で町の人と一緒に映画を作り上げてしまうとは驚いた。

「らくだ銀座」http://www.rakuda-ginza.com/や「恋まちねっと」http://homepage2.nifty.com/koimachi/などの作品を作っている。らくだ銀座とは、へんな題名だが、ある日商店街にらくだが歩く夢を見た、という設定からはじまる作品だ。

私は、この映画のコピーが気に入った。

    かつて元気だった「まち」には、「映画館」がありました

意気投合した二人に対して、私は、二つの挑戦をせよとお願いした。

一つは、今年の市民メディア集会へのお二人の登場は意味があったけど、まだ存在感を示せていない。ここで引くのではなく、次回の横浜大会でははっきり存在を示す企画をしてほしい。

もう一つは、市民メディアとお二人とは、まだ距離がある。つまり、あなた方が映画にこだわるあまり、映画だけで市民メディアに乗り込もうとしても理解を得られない。むしろ、コピーの言葉である、「映画館」ではなく、他の言葉に置き換えた企画がほしい。それを「市民メディア」に置き換えよとは言わないが、映画館と市民メディアとが限りなく近づけるような企画を考えてほしい。

こういう挑戦をすると、お二人は乗りやすい。けんかは買うタイプのようだ。それがわかったから言ってみたが、それにしても気持ちよく受けてくれた。この挑戦を実現してくれるかどうかはわからないが、それでも受け入れてくれたこと自体がうれしかった。

二人は、映画関係者である。一人は、映画監督の林弘樹さんといい、もう一人はプロデューサーの越後啓子さんという。映画監督にとって、いいプロシューサーを持つことが何よりも大切だと思うが、公私とものつながりはうらやましい。

しかし、かれらの力は、来年まで待つ必要はなかった。

翌日の全体会で山江村の人々を出演させた即席の映画を見て、彼らの実力の一端がわかったような気がする。

林さんに「精華大に呼んでくださいよ」と言われて、私は、「単に講義にゲストに来て頂くならば簡単だけど、どうせならもっと仕掛けがあるところで呼びたい」と答えた。

彼らに挑戦状を突きつけた私だが、自分自身にも挑戦状を突きつけてしまったようだ。

私も乗りやすいタイプなんだけど、大丈夫かなあ。

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Podcast若者の携帯メールことば

三宅さんの携帯メール文解説をダウンロードする

 日本語の言葉には、本や新聞などの言葉の他にも、日常生活の知り合い同士の会話も含まれる。特に、学生の場合には、携帯メールでのやりとりが知り合いとの間では非常に大きな割合を占めている。しかし、大学教育では、携帯メール文の分析はほとんど手つかずのままである。

これは、専門家の怠慢だと思うが、それ以上に携帯メールの現状を知らないことが更に重要である。これに果敢に挑んでいるのが、東洋大学の三宅和子さんである。

彼女に携帯メール文をテーマにした講義や文章の特徴について聞いてみた。

しかも、彼女は、本来、書き言葉であるメール文を、話し言葉のように雰囲気を交えて読んでくれました。6月の大学教育学会でも読んでくれて、好評を博しました。

では、上記のインタビューをお聞き下さい。

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Podcast「まろんTV」の人々インタビュー(ケロログ7位まで、あと54アクセス!)

「まろんTV」の松本佳久さん岩本良一さんお杉ばあさん(杉松さんの女装)インタビューをダウンロードする。

市民メディア交流集会初日に「まろんTV」関係者へのインタビューをおこなったファイルをアップロードするのを失念しておりました。

マロンテレビの方々とお話しするのはこの時が初めてだったのですが、気軽にインタビューに応じて頂けました。

いずれのメンバーも60〜70歳とはとても思えない元気の良さで、ご自分の役割と目標の実現に向かって着々と取り組んでおられる姿には感動しました。

テレビ番組で、「4000人の結婚式」という企画をされています。人口4000人の村がどういう結婚式を企画するのかが楽しみです。

では、お楽しみ下さい。

それまでのファイルは、http://www.voiceblog.jp/tsutsui/

にあります。

なお、ポッドキャスティングサイト「ケロログ」学術・研究部門では、Tsutsui-Pod-Mediaが昨日初めて9位240アクセスで登場して、午後には280アクセスを超えて8位に上昇。

本日、300アクセスを超えて、現在390アクセスまで到達。

7位まで、あと54アクセスです。

もっと上に行き、市民メディアの様子をみなさんに知ってもらいたい。

ご支援よろしく。

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8位315アクセスで赤丸上昇中。

昼頃には、9位でしたが、ただいま夜10時前には8位になってました。もっと上に行きたい。

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ポッドキャスティングサイト(ケロログ)で見事9位にランクイン!

9月9日〜11日まで、熊本県山江村で「市民メディア交流集会」が開催されました。

全国各地でビデオ、ラジオなどで市民の多様な声を発信している、ミニFM局、ケーブルテレビ局、メディアジャーナリスト、市民、研究者などが集まって三日間の交流会を開催しました。

その模様を「ケロログ」というポッドキャスティングサイトで逐次公開しましたが、「学術&研究部門」で「Tsutsui-Pod-Media」が、わずか三日間でなんと9位にランキングされました。241アクセスです。数は少ないですが、ランキング入りしたことに意味があります。

ポッドキャスティングを使うと、たとえば、主催者の挨拶終了直後には、挨拶の音声と写真、それに若干の説明文を添えて、公開できます。リアルタイムに近い感覚で参加者も楽しむことができます。

以下のサイトをご覧いただければありがたいです。

http://www.voiceblog.jp/tsutsui/

今後は、通常通り、このサイトでポッドキャスティングも提供します。

http://d.hatena.ne.jp/ytsutsui/

以下は、いくつかの用語が分からない方向けの説明です。

「市民メディア」って何?

という声もありますが、要は、マスメディアではない小規模の放送局、市民団体や個人で発信しているメディアのことだと思っていました。

この集会では、私は、ポッドキャスティングを使って、全体会、分科会、会議の模様を終了直後にインターネット公開する実験をしました。

「ポッドキャスティング」って何?

という質問には、こう答えます。

これまでブログでは、文字と写真で即座に情報を伝えることができましたが、ポッドキャスティングは、それに音声を加えることで、臨場感を高める発信方法だと思って下さい。

映像をブログに加えることもできますが、映像だと編集に手間がかかるのと、データが大きいのでアップ・ダウンロードに時間がかかりすぎます。

また、インターネットラジオだとリアルタイムの放送を聞き逃すと聞けませんが、ポッドキャスティングだとコンピュータにダウンロードしますので、いつでも聞くことができます。

マスメディアは、時間をかけて完成度を高めた放送をしますが、われわれ市民は、ある程度の完成度の情報を、簡単、かつ迅速に届ける手段を持つことで、新しい可能性が開かれます。その意味で、ポッドキャスティングは可能性があります。

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Podcast大学の現在3(キャリア・カウンセラー中村恵子さんへのインタビュー)

中村恵子さんインタビュー をダウンロードする。

大学教育シリーズ第三回目は、キャリアカウンセラーの中村恵子さんです。

中村さんは、社会人向けの再就職講座の講座をつとめたり、企業の新規採用に関わったりして、社会から大学や大学生をじっくり見ています。

質問項目は、以下です。

1.現在の、企業の求人募集はどのような特徴があるか。

2.学生が就職活動する時には、何が重要か。

3.なぜ就職するのかわからないと迷っていたり、社会に出るのが怖いと思っている多くの学生に対して、アドバイスをお願いします。

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Podcast大学の現在2(京都文教大学・中村博幸さんへのインタビュー)

中村博幸さんインタビュー をダウンロードする。

大学教育シリーズ第二回目は、京都文教大学の中村博幸さんです。

中村さんは、大学コンソーシアム京都でFD活動にかかわられ、全国の大学への提言をおこなっておられます。

質問項目は、以下です。

1.私立大学の四割が既に定員割れを起こしていますが、やがて大学が淘汰されることになります。このことは、高等教育にとってどのような意味があるのでしょうか?

2.大学一年生の教育を主として扱う初年次教育は、大学教育の重要な鍵となっていますが、これはどう捉えればいいのでしょうか?

3.多くの大学において、教員は、学内行政や学外向けの活動に忙殺された上に、教育や研究にも一層力を入れるように求められていますが、加重負担に苦しむ悲鳴があちこちで聞こえます。

 その中でも、できるだけ前向きに努力しようとしている大学教員にメッセージをお願いします?

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Podcast大学の現在1(武蔵野大学・矢内秋生さんへのインタビュー)

矢内秋生さんインタビュー をダウンロードする。 

今回から三回続けて、大学教育の専門家へのインタビューです。

矢内さんは、大学雑誌の連載で全国の大学を回ってルポルタージュをされてきています。

質問項目は、以下です。

1.雑誌の連載で全国をお回りになりましたが、全国の大学のここ数年の現状はいかがでしょうか?

2.所属されている武蔵野大学は、女子大学から共学に編成替えをされたわけですが、その成功の秘密はなんでしょうか?

3.大学の置かれた現状はますます厳しくなっていますが、前向きの未来を描くとすれば何でしょうか?

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玉本英子さん講演内容

昨日、シリアから戻ったばかりの玉本さんですが、疲れも見せず、持ち帰ったアラブのコーヒーを自製され、クッキーを持ち帰って、参加者にふるまっておられました。スライドと現地撮影したビデオ映像を参照しながらのお話です。

今回は、クルド自治区に滞在しながら、イラク北部のモスル、キルクークなどを取材された。自治区の中心都市はアルビルで、そこには治安が悪化しているバクダッドなどからの移住者が多いとのこと。

お話しされたことで興味深いことがいくつかあります。

1.電気、水道などのインフラは一日の内で何時間しか稼働しないし、武装勢力の活動や金目当ての誘拐が頻発している。突発的に生じる武力活動も含めて、この状態がいつまで続くのかという住民の不安が大きいこと。

2.武装勢力に対する住民の見方について。自爆攻撃をおこなう多くは外国人であり、彼らが聖戦を信じて狂信的に行動することが住民にとっては不安要因となっている。

3.新生イラク! 軍兵士の家族を取材してみると、兵士本人は職務に対する誇りを持っている。しかし、子供を兵士にしたいかと聞くと、絶対させたくない、と返答する。この返答は、彼にかぎらず、これまで聞いた、他国を含む、ほとんどの兵士がそう答える。自分の職務と家族に対する態度との相違が兵士の特徴である。

4.イラク人の人気番組は、アルジャジーラなどのニュース番組ではない。「テロ」や破壊活動などの報道には飽き飽きしているようだ。したがって、娯楽番組に人気がある。また、同様に、チャットなどのインターネットは都市部の若者にはかなり浸透している。

5.今年に入ってイラク国内で取材活動を行った日本人ジャーナリストは、フリーが6名程度で、その他NHKがバクダッドに滞在。NHKは、他の問題で騒がれているが、イラク報道に関しては記者を常駐させている。唯一のマスメディアとして意味がある。

6.戦争地域の報道においては、どうしても戦闘場面ばかりになり、死傷者の数だけが報道されて人間が数としてしか見られていない。玉本さんは、そうではなく、兵士も民間人も生身の人間であり、そこの習慣や食べ物などの文化面での人間を知ることなしには理解したとは言えない。そうした側面も伝えることがジャーリストの玉本さんとして重要である、とのこと。

イラク人や国全体を語ることは、現状の混乱の中では非常に難しいのであり、他国(特に、米国)との関係から機械的にイラクを見る報道や意見は、必ずしも現地の住民多数を代表しているとは言えない。自身が見て、聞いて、検証したことだけを訴えていきたいという彼女の姿勢は、ジャーリストとしての理性を象徴し、それがアジアプレスのポリシーなのだと思う。

イラク報道がマスメディアから少なくなるにつれて、彼らの役割は大きくなるのだが、その意図は必ずしもわれわれに伝えられることが少ない。いい古されたことであるが、改めて言わなければならないのが、フリージャーナリストの作品を公開する場所の確保である。作品が公開された初めて彼らは説得力が出てくる。複数の都市やホールでどこかで上映している、あるいは情報が得られるシステムを作ることが望まれる。

われわれもできることを考えよう。

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Podcast(アジアプレス玉本さんインタビュー)

玉本英子さんインタビュー をダウンロードする。

先ほど、インタビュー相手から許可が出たので、ようやくポッドキャスト第二弾を公表できます。

今回は、アジアプレス大阪事務所所属のジャーナリスト・映画監督の玉本英子さんです。

彼女は、タリバン政権時代にサッカー競技場で公開処刑されたザルミーナという女性の足跡を追って、政権崩壊直後に現地に飛び、アフガンの慣習や政治に翻弄された姿を「ザルミーナ・公開処刑されたアフガン女性を追って」によって明らかにしました。この作品が反響を呼び、海外のメディアからも注目されるジャーナリストなりました。

昨夜、京都・五条大橋南にある「ひとまち交流館京都」で『イラクの人々は今ー戦時報道の現場よりー』というテーマで、スライドやビデオを交えてお話になりました。

彼女の講演に対して参加者からかなりの反響があり、終了後も質問者の列が長く続きました。ただ、会場の閉館時間にせき立てられて、カフェ「efish」に行き、主催者や参加者も混じった中で、インタビューに協力してくださいました。昨日、シリアから帰国されたとのことで過酷なスケジュールの中で講演をされたので、さすがにお疲れだったのですが、快く引き受けてくださいました。

質問内容は、

1.本日の講演会で伝えたいことは何だったですか。

2.取材されたときに一番心に残ったことは何だったですか。

3.参加者の反応はいかがでしたか。

4.次回、イラクやシリアに行かれるときには、どういう事をテーマにされる予定でしょうか。

5.イラクやアフガニスタンの実態に対して、この番組を聞いておられる方に、メッセージをお願い致します

です。

これらの質問の前に、当初、次の質問を準備していたのですが、都合により割愛しました。

1.所属されているアジアプレスというビデオ・ジャーナリスト集団は、どういう活動をされていますか。

2.玉本さんの最新映画「ザルミーナ・公開処刑されたアフガン女性を追って」についてお話を聞かせてください。

そこで、この二点に関する説明は、以下のサイトをご覧下さい。

http://www.asiapress.org/

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