年度末というのは、いろいろと成果が公刊される。この本も、昨秋に東北大学の国際シンポジウムで、基調講演に招いて頂いた時の発表と、その後のシンポジウムをまとめたものである。
当時の様子は、昨年11月に書いているので、それを参考にしてほしいが、米国や韓国から研究者が来て、高等教育機関における学びについて多面的な議論をおこなった。私は、「大学における学びの変容とことばの教育」というテーマで、初年次における日本語表現法の歴史とその特質について語った。書き出しは、以下の通りである。
1.はじめに
私は、授業の最初には、アイスブレイクを入れるようにしている。授業の導入部として、気分をリラックスさせる必要があることと、授業内容につながるようなアイスブレイクを考えている。いずれにしても、学生と教員の距離を狭めながら授業に入ることが重要である。
本日の論旨としては、大学教育の専門外であった私がどうして大学教育の分野に入ったのかという個人史的な部分と、それと同時期に、社会における大学の位置が変容してきたことを重ねながら、日本語表現法が進めることばの教育の将来について展望する。
私以外の著者は、当日の発表者以外とは別に、専門家も新たに寄稿しており、シンポジウム当日の議論をさらに深めたものとなっている。ここで語られる内容は、東北大学や国立大学にとどまらず、日本の大学教育にとっても有益な内容が盛り込まれている。
是非ご購読を。