名物「五本締め」の輪が大阪をよみがえらせる

秋田住職の「五本締め」を見る

(ダウンロードするか、iTunes for mac/winで見てください。)

連休最初の29日に大阪市内に出かけたが、普段は人出溢れている、心斎橋周辺でも極端に人出が少なかった。きっと地元の人も観光客も天気がいいので、郊外に足が向いているのだろう。店が休みが多かったのは残念だが、車も人も少なくて、ゆったりと回れた。

大阪・上町台地の調査第二フェーズも最終イベントを迎えた。夕方から最終イベントがあるので、昼からゆっくりと上町台地を歩いた。心斎橋から、長堀通りを東進し、空堀商店街、萌・練・想の町家から南進して、寺町の寺院街からさらに南進して、四天王寺へと行った。そして、今度は北上して上本町駅から、東進して鶴橋で夕食を食べてから、北東へ進み、イベント会場のNEXT21まで歩いた。約5時間の探訪であったが、それぞれの場所は歴史を感じさせるためにまったく疲れを感じなかった。

ただ、上町台地のほとんどを歩いて見て、コンテンツの深みにもかかわらず、それが生かし切れていない実態に遭遇して、むしろ問題点を痛感した。具体的には、

  1. 駅や拠点から寺院・観光施設などへの導線が明確ではない。
  2. 上と同様であるが、車主体で考えられていて、歩行者が歩きやすい工夫がされていない。
  3. 空堀地区での施設相互の連携はできているとしても、それ以外では一つの施設と他の施設との連携がほとんどない

などである。

せっかくのコンテンツを十分に生かし切れていないことをどう改善するのかが今後の課題であろう。

夕方のイベントについて。

「上町台地まつり絵巻」クロージング・イベント“上町台地のまつりを紐解く”スペシャル・トーク、と題した企画は、連休中にもかかわらず、会場が一杯になるほどの60名程度の参加があり、大変盛況であった。こつこつと積み上げてきた活動が徐々に浸透していることがわかる。

ゲストは、澤井浩一(大阪歴史博物館学芸員)と北川 央(大阪城天守閣研究副主幹)さんであった。その中で特に面白かったのは、西国三十三カ所や四国八十八カ所という巡礼が、都市生活者にとって体験しやすい方法として、国単位、郡単位、さらには都市単位へと徐々に範囲が狭まり、ついには浄土宗優勢の大阪では円光大師(法然上人)二十五カ所という上人個人をたどる巡礼までに狭められ、それがやがて他の都市へも波及していくきっかけとなったということである。都市生活が繁栄した大阪から新たな祈りの習慣が生まれたのであった。

議論の最後に、北川さんが、今後の「まつり」とは、変わらない神事としての祭礼と、新しさを求めるイベントとを含んだものととらえるべきであるという提言されたことは、貴重なコンテンツと変わりゆく社会との接点を模索する必要性を訴えたものであった。

最初の映像は、トーク終了後の懇親会の締めで、「上町台地から町を考える会」代表であり、應典院住職秋田さんの五本締めである。そろそろやめたいと言いながらも、やると決めたら、背広を脱いで、全力で取り組む姿が彼らしい。

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