三年生のゼミのテキストは、これにしようと思う。
といっても、各自の卒論計画を進めないといけないので、このテキストばかりには没頭できない。理由は、ゼミ生の多くは、実はあまりコンピュータやメディア関係のことをテーマにしないからだ。
そうはいっても、やはり最新のトレンドだけは抑えてほしい。この本がわかりやすいのは、Googleにせよ、Webにせよ、一般ユーザが使用するツールを中心に分析しているので、日頃何気なく関わっていることの意味を予測を含めて考えることができる。
わが国では、コンピュータやインターネットの分析をテーマにすれば、企業や技術者側ではバラ色の世界を描き、文科系の世界では裏面を描こうとする。いずれもが大切なのだけれども、ネット技術はともかくとして、それを推進してる人々の理想に満ちた語りが特徴的だ。それが米国的な特徴である、と言ってしまえば元も子もない。むしろ、何かと否定面ばかり強調するとどうしても人間の努力自体が無駄であるように思われかねない。
どうしても一歩前に踏み出せないゼミ生には、学ぶべき努力を語っているような気がする。