僧籍はないが得度した、お寺のニューフェース

今度、お寺に就職した知り合いがいる。家はお寺とは無関係なので珍しい選択だ。

彼は、立命館大学大学院時代からNPO活動に関わり、在学中から大学コンソーシアム京都http://www.consortium.or.jp/のNPOインターンシップ・プログラムのコーディネータを務めて、そのままコンソーシアムに就職した。そこでは、NPOだけにとどまらず、まちづくり、学生イベント、人材育成などコンソーシアムの業務であったり、外部の業務であったりするのだが多方面で仕事していた。三年前には、在職しながら阪大大学院博士課程に入学し、今年、見事博士号も取得した。

まだ30歳半ばであるが既に老成の感がある友人の名前は、山口洋典(ひろのり)さんhttp://blog.drecom.jp/catalyst/と言う。その彼が選んだ次の仕事は、なんとお寺の職員だった。大阪中心部にある應典院http://www.outenin.com/という浄土宗のお寺である。應典院は大連寺の塔頭であり、その住職の秋田光彦さんが僧籍を持たない山口さんを職員にスカウトしたのだった。請われると嫌とは言えない山口さんのことだから、お寺への転職を決意した。

もっとも、このお寺は単に宗教拠点ではなく、NPOの拠点として活動しているのであり、山口さんはその方面の実績を買われたのだった。しかしよく決意したものだと思う。けれども、アイデアが豊富で活動的な彼にとってはコンソーシアムの枠は既に小さすぎたのだろう。お寺という伝統がありながらも、NPO拠点をめざす新しい職場は、きっと挑戦的な活動ができることだろう。

 30日夜は、コンソーシアム内で、自ら企画した退職記念報告会を開催したので、私も参加した。職場関係者も多かったが、インターンシップ・プログラム出身者、立命館の事務職員、京都のNPO関係者、そして秋田さんなど約40名が集まって、彼がこれまでどういう仕事をしてきたのかを聞いた。院生時代から現在までの彼の論文、原稿などをたどりながら、彼の思考回路を説明するのだが、1時間あまりの説明で紹介された原稿には、博士論文や受託事業の報告書などはまったく入っていなかった。う〜ん、これらは私よりもかなり原稿の量も質も凌駕している。なんと言っても、彼の特徴は、言葉の魅力を引き出しながら、それを原稿に入れることだ。三つの「間」が重要だと言えば、「空間、時間、仲間」のことだという。まさに文章にことばの魅力を入れることがうまい。

僧籍をもたないままでお寺の職員になる彼の前途を祝して、私は、参加者すべてのインタビューをビデオに収録した。記念の作品として渡そう。

ちなみに名前は、洋典(ようてん)と読み方が変わるとのこと。

3月31日から4月1日への変化を、徹夜仕事の中で、どのような気持ちで迎えただろうか。

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