向後千春さんは、認知心理学者で富山大学で言語表現科目を一緒に担当して以来、啓発される仲となった。彼と荒木晶子さんと三人で書いた「自己表現力の教室」は三万部を越えるロングセラーとなっている。
彼は、研究のかたわら、Web日記を10年間も継続し、そこでは心理学や教育工学などの文献や理論、実践などの博学であり、また実践的な実験を繰り返していた。「死ぬまでWeb日記を書く」と決めていた彼が19日に彼の日記を終了するとのこと。データも削除するそうだ。日記サイトとしては、あちこくのメディアで紹介されただけに終了のアナウンスは意外だった。
http://chiharu.g.hatena.ne.jp/kogo/
たいした理由がないとの言葉を信じておこう。彼は、きっと何かを考えているのだろう。
私にとってうれしいことは、その前日に私の「言語表現ことはじめ」が紹介されたことだ。しばらくしたらデータも削除されるのだが、彼の日記の最後に掲載されたのは思い出に残る。
彼が日記を書き続けていても、私は長く読む人であった。「彼は酒を飲まないので、日記を書く時間があるのだろう」と言い訳を考えたこともあるが、内容がそれ以上のものなのでその言い訳は的はずれだった。彼が日記を終了する前に、私も日記を書き始めたことは、彼の影響を受けたのだろう。
うれしさと悲しさが混じった感傷が漂うが、ただただ彼の今後の活躍を祈ろう。