メールの署名は、その人の一端を表している。パソコン通信と違って、インターネットの世界では本名でのやりとりが原則であるため、よけいに署名が重要である。
ところで、先日、出版社から日本語表現法の歴史と展望について本を出したのだが、そこにこの分野を開拓していくにあたって協力した方々に短文ながらご寄稿を頂いた。この内容はそれぞれの方々の特徴がよく表れていて面白いのだが、先日別件でその一人の方からメールを頂いた。するとその署名には、なんと
ひつじ書房から出版される筒井洋一著『言語表現ことはじめ』に寄稿
と入っている。ご自分の書籍に並んでであるが、それでもありがたいものだ。著者ではなく、寄稿者であるので、普通はこうしたことは署名に入れないものだが、それにも関わらず明記して頂いたことに感謝している。
そういえば、広告表現技法の石川さんも
京都精華大学 非常勤講師 http://www.kyoto-seika.ac.jp/
と入れてくれている。こういう肩書きがなくても、彼の場合には十分生きていけるのだが、ありがたいことだ。確か精華大の非常勤講師をお願いする前に、東京の芸術系大学の非常勤の話しがあったようだが、これをわざわざ断ってくれた。広告業界のような彼らの仕事は、時間との勝負なので、京都までの移動はかなりのロスである。
ただ、彼の場合、ホテルに戻った夜中から何時間も会社と電話して仕事しているとのこと。学生には見せないところで仕事するのはさすがだ。こういう話しも何気ない会話の中から判明したのであり、その意味で非常勤講師の方のアテンドをすることはメリットが大きい。
人が知らないところでどれだけ頑張るかが勝負である。