授業をオープンにすると、学生の学びが深まります。
同大学人文学部専門科目「情報メディア論」の授業が9月から来年1月までおこなわれます。その授業を私と一緒に創っていただける授業協力者(Creative Team: 略称 CT)3〜4名を募集します。CTとは、15週間、教員と同じ立場で、授業設計・準備・実施・検証する学外からのボランティアです。
授業期間は15週ですので、全期間一緒にできる方がありがたいですが、これは要相談です。報酬が伴わない、ボランティアでの参加となりますが、大学の授業を創る意欲、他人との協調性、最後まで愉しくやり抜く気持ち、そして何よりも学生と共に学ぶ気持ちがあれば、経歴は問いません。しかし、大学、NPO、企業などでの授業、ワークショップの企画運営の経験者が望ましいです。
これまでCTは、昨年前期3名、後期4名、今年前期6名が参加して頂きましたが、経験も才能も豊かな方ばかりでした。NPO、ファシリテーション、コーチング講師、大学院生、教育支援をしている大学生など多彩でした。CTからのメッセージは、別の場所でお伝えします。参加の可否は、事前面談の上、決めさせてください。
こういった試みを始めた昨年前期「グループワーク概論」には、大変大きな反響をいただきました。有能な3名のCTが大活躍した上に、学外からの見学者が毎週平均5,6名、半年間で延べ95名に達しました。授業終了後に、見学者、CT、学生有志を交えた授業振り返り会を毎週開きました(これがかなり愉しい!)。授業の成果は、教員がどれだけ教えたのかではなく、学生がどこまで学んだかをリフレクションすることですが、この授業では、リフレクションを重視しています。
後期の「情報メディア論」は、「グループワーク概論」とはテーマが違いますが、全体の枠組みは同じです。「グループワーク概論」の授業ムービーは、以下から見られます。
後期の「情報メディア論」では、反転授業とゲーミフィケーションを新たに導入します。反転授業とは、俗に言われる、ビデオ授業とリアル授業との反転ではなく、教員のインプット中心の授業から、学生の学びを主体にした授業のことです。ゲーミフィケーションは、ゲームの要素を授業に活用することで、利用者の動機づけを高めることです。これらについては現在準備中です。
大学の授業(シラバスの作成、準備、授業提供、点検、評価など)に、教員以外の学外の方がボランティアで関わり、いつでも授業公開をしている授業は、全国的にはほとんど例がありません。私は、こうした授業を創っていけることに喜びを感じています。
私がCTの方と一緒に授業を創る最大の理由は、優秀な学外の人材が授業に加わることで、教員一人で授業するよりも、学生の学びが格段に深まるからです。もちろん、私とCTとがうまく連携しないといけませんが、志の高い者どうしの協力はうまくいきます。
CTが担当する業務内容は、教員とほぼ同じです。
1.授業準備(コマシラバス作成、役割分担、連絡、設営など)
2.授業運営(90分間の授業は、CTが中心になって授業します。ワーク担当、学生掌握、見学者対応など)
3.授業管理(学生把握、課題・出席などの管理)
4.翌週の準備(コマシラバス作成、ワーク・時間管理、告知、報告など)
これらの業務を15週続けていきます(もちろん、休息の週も設けます)。追加の打ち合わせが必要であれば、スカイプ会議などを活用しますが、授業日の出講以外はFacebookグループでのやりとりです。
ただ、授業を一緒に創るといいながらも、すべてゼロから創るわけではありません。教員は、授業管理者としてシラバスの作成を終え、授業日程は事前に決まっています。
1.授業シラバスは既に提出済みですし、
2.授業日程も毎週月曜日午後4時20分〜5時50分、
3.授業開始は9月22日で、授業終了は1月19日です(冬期休暇あり)。
4.授業場所は、京都精華大学学内です。
5.受講生は、人文学部2〜4年生です。選択科目のため、受講生数は流動的ですが、40〜60名くらいの予定です)
もちろん、シラバスと日時が決まっていても、毎週の授業シラバス(コマ・シラバス)はCTと一緒に決めていきます。シラバスは授業の大枠を決めますが、実際の運営ではコマ・シラバスが重要です。
忘れてほしくないのは、CTは、教員の補助者ではありません。むしろ、学生と教員、そして見学者をつなぐ存在です。みなさんが中心になって授業を進めていってほしいと思います。実際に、授業時間の大半をCTが担当してきました。CTが学生の学びを支えるために、たえず寄り添う必要があります。けれども、教員以上に努力してもらったとしても、交通費や謝金などは出ません(すいません)。私とCTとのつながりは、金銭関係でも、また上下関係でもなく、互いの思いをつないでいく関係でありたいと思います。その意味で、CTは、個人の強さだけでなく、CT全員のチームワーク、CTと私とがチームとして取り組むことが何よりも成功の秘訣です。
以上のような形で、授業を一緒に創ってくれる方を募集します。興味をお持ちの方や詳しく聞いてみたいという方は、是非筒井宛にご連絡ください。また、該当者がおられましたら、告知をお願いいたします。