国境を越えて タスク編―留学生・日本人学生のための日本語表現練習ノート
- 作者: 山本富美子,瓜生佳代,甲斐朋子
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 2007/05
- メディア: 単行本
以前に頂いていた本の紹介です。日本語教師は留学生だけを教えて、しかも授業内容も日本語の基礎日本だけの紹介に限定するのがかつての日本語教育でした。それがここ十年間で大きく変化しました。つまり、日本語教師は、留学生だけでなく、日本人学生も対象にして、しかも授業内容も語学や日本の紹介だけではなく、むしろグローバル社会の問題を教えるという変化です。
その動きがこの本のタイトルにも明確に現れています。つまり、『留学生・日本人学生のための一般教養書ー国境を越えてー』というものです。この本は、主として社会科学や文科系での知識を身につけたい学生に向けて書かれています。現在の日本語教育のテキストで社会科学向けでは一番アイデアが豊富なできとなっています。留学生向きのようですが、実は日本人学生が読んでも十分価値があります。
目次は以下のようになっています。
1 文明の多様性と異質性
2 人口動態
3 戦後の社会構造の変容
4 戦後の経済構造の変容
5 開発の功罪
6 環境問題
7 情報化時代
8 社会科学の方法
9 グローバル化時代の課題
10 地球規模の環境対策
11 日本国憲法の今日的意味
12 人材育成
13 企業とは
14 家族とは
編著者の山本富美子さんとは、前任校で短期間でしたが、ご一緒したことがあります。しかし、有能すぎる彼女をうまく生かせなかったようです。私はそれを横から見ていて歯ぎしりしていました。
その彼女と2002年にお会いすることになりました。
日本語教育の研究会で報告した時に、彼女はその研究グループの一員でした。その後、『アカデミックジャパニーズの挑戦』でご一緒できました。社会学と日本語教育との接点を開拓するパイオニアの存在です。私がまた実績を積んで彼女と一緒に仕事ができるように精進したいと思います。