東寺本堂に鳩が君臨すーLive Earth YMOコンサートー

雨も降らず、涼しい夜で、まさにライブ日和だった。

コンサートのトリを飾るYMOが本堂に現れた。高橋幸宏を真ん中に、左に坂本龍一、右に細野晴臣が控える。彼らの後ろには本尊がライトに垂らされて浮かび上がる。

もはや彼らは人民服ではなく、真っ黒の上下で、三曲を演奏した。その音楽には、観客は絶叫するわけでもなく、かといって瞑想するわけでもない。体の揺れ方が、縦揺れでもなく、また横揺れでもない。電子的な揺れをかもし出す。

私は、彼らが世界に飛び出した時期(1970年代後半から80年代前半)の自分を思い出す。彼らの活躍と自分のどん底とが対比され、ただただ涙が出てきた。幸いに細野さんのすぐ側で見られたので、彼らじっと三人を凝視できた。

すると、二曲目から、本堂屋根に鳩が飛んできて、止まった。大音響がうるさいだろうにと思いながらも、最後までじっと鎮座していた。三曲終了後、彼らが挨拶に出た後も、鳩はそのまま鎮座していた。コンサート終了後も帰らない観客を見渡していた。

観客の鳴りやまぬアンコールの拍手を聞きながら、私は夜行バスに乗るために、会場を後にした。初めての生YMO。そして、自分の人生の成功を祝って、まだまだできることはある。

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