四条縄手通り上がる50メートルほどに郵便局がある。
その隣に暗い路地がある。木戸を通ると、少し湿った石畳が続いていて、側には庶民的な自転車が並んでいる。
どう見ても、雰囲気が壊れる。その一番奥にのれんがかかった店がある。6名ほどのカウンター席といす席が二つあるだけの小さな店。
実は、ここがかなり有名なウナギ屋である。
今日、たまたま近くを通ったので寄ってきた。もちろん、骨折した姿のままで入ったので違和感があったが、そんなことよりも料理の方が気になる。
うなぎ丼がメインだが、実は、ウナギの上に錦糸卵を乗せた「きんし丼」の方がもっとおいしい。もちろん、ウナギ丼よりも、ウナギの大きさは小さいにしても、白飯にあらかじめ白ごまとタレを混ぜ合わせた上に、ウナギと鉢一杯の錦糸卵がふりかかっている。そのままだとウナギが見えないので、わざわざ卵を半分よけて写したのがごらんの写真である。もとは、もう一枚の写真のようになっている。
ウナギ丼も、きんし丼もいずれも千円。祇園の真ん中にある店とは思えない安さだ。ちなみにお茶漬けウナギが乗っているお茶漬けは1,800円だが、これはタレをしみ込ませた佃煮のようにしたウナギが乗っている。さらに世界が飛躍する。
祇園は高いばかりでない。老舗の心意気は、この丼に表れている。是非お試しあれ。
追伸
夏にギブスをはめると、足がかゆくなって大変でしょうと言われる。たしかに二日目は少しかゆくなったが、それ以後は大丈夫。その秘訣は、ギブスに風を通して乾燥させるために、扇風機を回しっぱなしにしている。これが意外といい。さすがに料理と違って、お試しあれとは言えないが、骨折の折には重宝する。