精華大現職教員(嘉田由起子さん)滋賀県知事選挙に当選

熊本研究合宿から帰って来たら、関西では大騒ぎだった。

滋賀県といえば、保守県政で有名であり、自民、公明に民主党も相乗りした現職知事が八年間の実績を掲げて打って出れば、大きな不祥事でもない限り盤石である。そこに共産党推薦候補とは違う、第三の候補として、精華大学人文学部環境社会学科教授の嘉田由起子さんが社民党支持で立候補したのである。

誰もが泡沫候補として落選すると思っていたのだが、彼女はあえて立候補した。彼女のプロフィールは、ここにあるので省くが、滋賀県立琵琶湖博物館総括学芸員として琵琶湖を中心に環境問題をつぶさに調査して研究者としても実績がある。環境社会学科設立にあわせて当大学に赴任されたのだが、国内外の調査研究はもちろんのこと、学生指導もきっちりとしていたために、学内でも評判のいい方だった。

ただ、私自身は不思議と直接話した事がなかった。しかし、選挙活動に加わっている多くの学生や卒業生とはつながりがある。クラブイベント、学園祭、自治会などでそれぞれの有名人が馳せ参じていた。人材の多彩さには驚く。

ところで、普通選挙に立候補する場合には、大学を辞めてから立候補するが、彼女の場合は違っていた。もちろん、彼女自身は退職届を理事会に提出したのだが、理事会は退職を認めず、むしろ「有益な社会活動なので、休職扱いとする」という英断をおこなった。理事会の返答にはびっくりしたが、この大学らしいユニークさが出ていていてよかったと思う。普段は無愛想な理事長も、今日は笑顔を返してくれたのも選挙結果が影響しているのかもしれない。

午後4時前に食堂に食事しにいったら、食堂の女性職員が「昨日は食堂にもカメラが入ったり、インタビューがあったんですよ」と誇らしげに話してくれた。「滋賀県の知事になって環境問題に取り組んでもらえることは滋賀県だけでなく、琵琶湖の水を飲んでいる京都市民にとっても意味のある事だ」と答えたそうで、視野の広さに驚いた。ただ、私が、「テレビでは食堂前でインタビューを受けている学生だけしか写ってなかったね」というと、「サッカーの中田選手引退報道でカットされたようだ」と解説してくれた。最後に、私が「どうせならば、嘉田さんが好きな食事メニューか、あるいはエコロジカルなメニューを考えて、『嘉田ランチ』を発売したら?」と言ったら、「それはいいアイデアだ。さっそく店長に相談してみる」とのこと。

このニュースが入試にいい影響があれば、あるいは環境問題を考える事は社会に役に立つという気持ちを受験生が持ってくれればうれしいのだが。インターンシップも、知事インターンシップなどを考えてもらえればいいのだが。

心から彼女および滋賀県の発展を願っている。

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