昨日、仕事していたら、隣で祇園囃子の調べが聞こえてしまって、最後の部分を見てしまった。テレビ朝日で放映された『祇園囃子』http://www.tv-asahi.co.jp/gion/である。
倉本聡が脚本を書き、石原プロが出演した単発テレビ番組としては、破格の制作費をかけた作品だった。祇園街や友禅職人が舞台なので着物が素晴らしいとか、日本企業や日本社会に対する警告を込めているとかはなんとなくわかったが、地元番組なのでともかく知っている場所や店がどう映っているのかが気になってしまう。何ともミーハー的で情けないが、正直なところだ。
祇園の元お茶屋跡の店は接待用に使うし、百万遍の料亭やプリンスホテルは倉本さんの贔屓だし。
(そういえば、倉本さんは、精華大の学科改組イベントの第一弾として、対談に協力してもらった。対談相手は、倉本さんの東大時代に演劇仲間であった中島貞夫監督であった。親友であっても、初めての対談とのこと。僭越ながら私が司会をさせていただいた。そのときにも料亭の主人も参加されておられた。)
舘ひろしが住んでいる高野川沿いのマンションは屋内を見たことがあるし、渡哲也と対面する大原の料亭はここしかないとのこと。
いずれも直近であるか、所在がわかり、後々いつでも追体験できる場所である。
ドラマ自体は、家紋がヒントになって話が展開していくという倉本さんらしい筋運びである。また、祇園祭の風景をあえて見せないで、音で感じさせるのも、余韻を高めるのに効果的だ。祇園祭は、鉾の祭りではなく、お囃子の音の祭りであったのだ。
暑さも過ぎたこの頃になって、あの暑い盛りに必ずやって来る気持ちの高揚は、いくつになっても忘れることができない。