あー、楽しかった。
いやー、いままでやってない授業をやり切りましたよ!
過去6年間継続している、教員と一緒に創る授業ボランティア募集の呼びかけに、大谷大学の専任教員と京都橘高校の専任教員が応募してくれました。
これまで40名近くの授業ボランティアが応募してくれましたが、現職教員で、しかも大谷大学の授業にその大学の専任教員が応募してくれるなんて予想もしなかったです。
また、同じく高校の専任教員も来られることもびっくりしました。
大学と高校の専任教員二名という豪華なボランティアですが、逆に、学生側から見たら、教師ばっかりで嫌、となりかねない懸念もありました。
ですので、お二人には、
これまでご自分の授業ではやらなかったこと、やれなかったことをやってください、
とお願いしました。
お二人にとっても、こんなにじっくり学生の変化を見ることも、じっくり振り返りをすることもこれまでできなかったと思いますが、お二人は見事にやりのけて頂きました。
私は、このお二人と一緒に、これまでやれなかったことをできたことに心からの満足感を感じています。もちろん、ボランティアの活躍は、学生に大きな変化をもたらすことが伴わないといけませんが、それも見事でした。
大学の授業に、その大学の専任教員と高校の専任教員がボランティアで関わって、退職教員と一緒に創るなんて体験は、日本初の試みです。
こんな体験ができるなんて、大きな宝物をもらいました。
授業経過を少し振り返ります。
最初の五週間(第一モジュール)は、学生がバラバラだし、何やってももう一つうまく行ってない感じだったのでどうなるかとヒヤヒヤしましたが、第二モジュールになってくると、他のメンバーを意識しだして変化してきました。
第七週目に、リサーチの基礎について学んだ後に、学校の校則について調べようとなって、そこそこ形ができました。少し自信がついたのかもしれません。
第九週目に、隣のクラスと授業を合同にして、私の学生が彼らのグループ発表に対して質問する機会がありました。その時には隣のクラスの学生が堂々と発表していた姿に、学生はショックを受けていたと思います。とても追いつけないという思いだったでしょう。
十週目くらいに、何事にも積極的に発言や行動する学生が、その逆の学生に対して、「私は、元のあなたみたいなことは嫌いだった」と直接告げたあたりから、そういった一見ネガティブな発言をしても本人は受け止められるようになってきました。
このまま伸びていくかと思ったのですが、思ったようには伸びてなかったです。第十四週目の発表に向けて、第七週での発表経験が生かせると思いましたが、その経験が継承されてないことがわかって、そこから苦闘が始まりました。第十一週になると、教員側からの問いかけはしないのですが、あえて継続しました。
ここが一番大変でした。問いかけしても、考えるのは学生ですから、そこからどうなっていくのかは学生次第ですから。
そこまでした上で、年末最後の第十三週では学生におまかせしましたが、うまくいかなかったです。そこでは、リサーチテーマに対する違和感を真顔で発言する学生もいて、みんなが凍り付きました。私もどうなるかと思いました。
新年最初の第十四週は、隣のクラスと合同で発表会です。40名以上いる場で発表しないと行けないので普通は教員がいろいろ手を入れます。でも、私のクラスでは一切関与せず、新年の発表がうまくいくように願っていました。
既に十分が学生を教育したので、発表の見栄えをよくするような教員の関与をしなくても、学生チームが相談しながら準備してくれることが重要です。
他チームと比べても、これまでと比べても、また、学生自身にとっても、やり切った発表をしてくれました。
やはり信じてよかったです。
第十五週は、全体の振り返りを教員も混じって振り返りしました。最初に文字化して、ペアで語り合い、再度文字化してから、全体で話し合いました。教員も不安に思った点や厳しい指摘をされた学生が当時どう思ったのかなどについて率直に話し合いました。結局は、このメンバーとならばできてしまうことがわかりました。
それを今後どのようにしていくのかは、課題レポートで答えてくれます。
教員、学生、授業ボランティアという三つの役割、それに隣のクラスとの合同授業という視野を変える試みをどのように組み込んでいくのかが大きな経験となりました。
まずは、今年度のボランティアのお二人に心からお礼申し上げると共に、来年度も実施するので、授業ボランティアをやってみたい方は
是非お越し下さい。
左から、
大谷大学講師の高橋真さん、
京都橘高校の小坂 至道 (Norimichi Kosaka)さん、
私です。
ほれぼれするほど有能な方々です。