昨12月に京都メディアフォーラム例会でお話ししてもらった松田馨さんが初めての本を出版した。献本していただきました。
『選挙は誰のためにあるのか。―100の質問で解き明かす日本の選挙』
以下気づいたことを書きます。
彼は、2006年滋賀県知事選挙で、無所属の嘉田由紀子さんが奇跡的に当選したことに関わって以来、選挙プランニングの世界に最年少で関わった。それによって彼の人生が一変し、また自らの問い直しを常に繰り返す生き方を選択することになった。
選挙という年配の人たちの主戦場に若者が参入した。そこでの当面の仕事としては、年配者に向けたものであるが、彼の将来的な戦略は、20,30歳代がどう選挙や政治に関わるのかということにある。そのためには、体系的な体裁の書籍をだすよりも、twitterで募った質問を中心にして、簡潔に答えるという本書の形態で出す必要があったと思う。
彼のよさは、与えられた時間に自説を話し尽くすよりも、ある意味では脈絡のない質問の中で、いかに答えるのかということにある。彼には、既に頭の中に、選挙や政治に自分がどう関わるのかという明確なイメージがあるので、今回のようなQ&A形式であっても、回答毎に説明にずれがあるということはほとんどない。これは、例会における彼の発言を聴いてみればよくわかる。
四月の統一地方選挙を前にして、著書を出版することで、彼のポリシーを語りながら、政治家や選挙関係者に対して、市民が一歩前に行く橋渡しをしているのだと思う。あくまでも主役は、政治家ではなく、市民なのだから。
短時間で読める本であるが、実は、われわれに問われているのは、傍観者でいてはいけない。もっと政治家を見ようということなのだと思う。