京都メディフェスのプレイベントとして、開催された講演会は、大阪ボランティア協会事務局長早瀬昇さんと京都NPOセンターの深尾昌峰さんが登場した。かれら二人は、NPO団体の中でも、マスメディアとのつながりが深く、また独自ルートを持って、活発な広報活動をしている。その経験を話してもらい、われわれの活動に生かそうという意図で話してもらった。
早瀬さんは、メディアの使い方として、次の五点が必要だと語った。
1.クレーマーになれ
単にメディアに苦情を突きつけるようなクレーマーではなく、マスメディアに筋の通った批判ができるようになることが重要である。メディアは、そういう人物の言うことを受け止めようという気持ちがある。
2.売られたけんかは買う
あちこちに出かけて講演会などで出かけて出会った人とは、直接的にはメリットがあることは少ないが、間接的なつながりが増えていくことは、やがては大きな力となる。その意味では、忙しくても、依頼されたことは引き受けた方がいい。
3.耳に残るキャッチフレーズを作る
活動を印象的なコピーにしておくことは、メディアに非常にインパクトを与える。
4.常識を崩す発想の提示
常識的な善行ということではなく、場合によっては非常識的なことから発想することは、インパクトを与えやすい活動になる。それは、注目度を浴びることとなる。
5.マスメディアにはない取材力
活動の綿密なデータや経験は、メディアもほしがるために、大きな力となる。
それ以外にも、多くの論点を提示してくれたが、なじみやすい言葉で語りかける姿は、NPOの中心メンバーでありながらも、絶えず新しい取り組みをしようという気概を感じさせてくれる。
タイトルに出てきた言葉は、早瀬さんが言ってくれた言葉で、「一万人に一人はへんな人がいる。NPOに興味のある人はたいていヘンな人だ。でも、十万人いれば、十人のヘンなひとがいるはずだが、十人いれば、社会を変えられる」と。
表現の巧みさと、人間の動き出しを軽妙に語った言葉だと思う。