やっぱり国立大学

昨日、三重大のFD研修会に講師として行ってきた。主催者は、留学生センターと教養教育委員会内のWG関係者である。三重大でも日本語表現法の設置を検討しているとのことで、その設置に至るプロセスと講義内容について報告した。前者は私が、後者は東京海洋大学の大島弥生さんが担当した。

私の報告は、富山大の経験とそれを現在に生かすために必要なポイントについて解説した。こうした報告は、個別大学の事情があるので一般化できないが、既に他の国立大学でも設置していることから教訓を得たいようだ。私の報告はともかく、大島さんの報告は、現在実践されている講義内容を詳細に説明されて、横で聞いている私もよくそこまで系統的に実施されていると思うほど努力されていた。

教務委員長からトップダウンで設置が検討されて、それを受けとめた大島さんが、学内専門教員の参加と日本語教師の非常勤五名の雇用を条件に引き受けた。この条件がなければうまくいかなかったと思うが、素晴らしい。現在の日本の大学では最高水準だと言ってよい。三重大を含めて、他大学がここまで思い切った方策をとれるかどうかは懸念材料であるにしても、独自の努力はあってもいいだろう。

参加者は、関係者ばかりだったが、一人は富山時代の知りあいで三重大に転勤した谷井さんも来てくれた。ありがたい。

でも、FDフォーラムでの聴衆の迫力に比べると、個別大学では物足りない。私の本を買ってくれなかったこともあるが、やはり私立大学と比べて、国立大学特有の待ちの姿勢を感じてしまう。まだまだ危機感が薄いのかも。私学にいる私の方は、そうそうゆっくりしてられないので、ついつい過激な提案をしてしまったが、これは提案しない方がよかったかもしれない。

相手の望むことにこちらが応えるようにしないといけないのかも。

ただ、忘れてはいけないのは、教育面ではまだまだにしても、科研費の申請に関しては業務命令と言っていいほど申請件数が増えている。人文学部でも6〜7割とのこと。しかも、かつての審査委員を務めた教員による書類の書き方講座もおこなわれるとのこと。つまり、「こう書くとだめです」「こう書く方がいい」という具体的なアドバイスである。大手の私学や理科系でも同様の命令が来ているようだが、わが精華大ではまったく無風である。大学の位置づけや方針が違うにしてもここまで違うのは不思議な気がする。

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