ある研究会の報告について、考えている。
初心者がライティングを学ぶ場合に一番難しいのは、テーマの絞り込みだ。たとえば「あなたの夢を実現する方法について書きなさい」と教師から課題を設定された時、自分が書くテーマをどのように絞り込むのかが迷うところである。
夢自体がたくさんある場合に、それらを並列的にならべたり、あるいは逆に現在明確な夢がない時に何も思い浮かばないことがある。このように複数の夢からゼロの夢のレンジで考えると、夢は一つであれば最も書きやすい。この一つをどのように決めるのかに難渋する場合が多い。複数の場合には、優劣を付けることで打開できるが、初心者にはかなり難しい。ゼロの場合、こういう機会に夢について考えてみるかどうかだ。
人間は、楽しいことや好きなことは苦もなく頭が働く。テーマを決める場合には、自分にとってできるだけこの状態を擬似的に作り出すように考えることだ。初めから「いやいや書かされている」と考えると何も始まらない。しかし、そもそも自分の夢について考えることは楽しいことなので、そう考えれば比較的発想がわきやすい。
テーマの絞り込みの方法としては、ビジュアルな方法、文字的な方法、両者が融合した方法など様々である。ここでは詳述しないが、自分のあった方法を見つけられればそれが一番いい。
テーマの絞り込みにおいては、いくつか考えることがある。
- 文字数や決められた条件を守ること
- 参考資料や文献が手元にあること
- 作業可能な時間的余裕
の三つを総合して考えることである。
多くの場合、時間的な余裕がない。そこで、資料が入手できる範囲で文字数などを守ることができるかを考える。このように考えると、結局は、テーマは、かなり限定され、かつ具体的なものにするのが近道である。
課題が「あなたの夢の実現方法について」であれば、テーマは「市民主体のメディア・カフェを京都に設立するための資金獲得方法について」のように、具体性と限定性が決め手となる。
こうした指導をどのようにすれば効果的なのかについて、考えていきたい。