卒論の季節

年を越すと大学は卒論の締めきりの季節。

私は幸い今年は卒業生がいないので、助かっている。

学生が卒論に向けた報告や資料作りをしているのを見ていると、かっちりした長目の文章を書くのは大変だなあと思う。

書き慣れている人だと、たとえばこうする。

  1. 仮のテーマを考える。
  2. 全体の章立てを考える。
  3. 仮の結論を考える。
  4. こういう筋を考えながら、参考文献を検索しながら筋を明確にしていく。
  5. こうした作業を重ねながら完成形に持って行くのである。

書き慣れない学生の場合だとこうだ。

  1. 仮のテーマを設定したとしても、あまりにも漠然としすぎている。
  2. 章立てにしたがった記述ではなく、断片の集まりとなる。
  3. 結論はまず考えていない。
  4. 何度かのゼミで報告して、教師や他の学生からの有益なコメントをもらってもそのままにしているので、次回の報告では前回の質疑が生かされていない。そのため、毎回同じ苦労をすることになる。

学生の名誉のために言っておくが、私も学生時代は同じだった。

筋道を付けたり、テーマの絞り込みや積み上げなどは苦手だった。

それはなぜか?

要は、苦労していい文章を書いても、その成果が多くの人の目に触れたり、また成果が自分にふりかかることが

なければだれも努力しないよね。

でもねえ、こういう考えはきっと私自身の発展を止めていたと思う。

今はその頃の怠慢を取り返すので精一杯。

もう少し先が見えていれば、こんなに苦労する事はなかったのに。

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