自宅に近づいてきた。下鴨神社付近には、スコッチ・ウイスキーで有名なバーがある。オーナーは、スコットランドでウイスキー修行をし、同地のパブ・オーナーと親しくなり、その名前をもらって営業している。夕方、店の前を通ったら、何やら楽器の音がする。バグパイプの音だ。クリスマスを前にして、店で演奏させてほしいと頼んだ趣味の仲間の演奏だ。狭い店をほぼ占領して、パイプ奏者四名が演奏していた。年配も若者も混じった不思議な組み合わせだ。狭い店一杯に音がこだましていた。その音もポッドキャスティングでアップしている。
演奏の合間に、年配の男性奏者に、バグパイプの演奏方法や衣装について尋ねたら、説明がとまらない。現地での演奏風景や彼らの気性など微に入り細にいり描写してくれた。以前、私はドイツ研究をしていたので、ドイツのことはすべて好きという年配の方によく出会ったが、ここではそのスコットランド版だ。楽器の善し悪しはわからなかったが、膝上までの(スカートとは言わず)キルトのタータン生地のきめ細かさや上着のかっこよさはわかった。でも、冬場に野外で演奏するのはこの格好ではさぞかし寒いだろうと思うのだが、バグパイプは、指を使うだけでなく、楽器に空気を入れながら演奏するので、かなりの重労働とのこと。音域も狭く、半音もあまり使わず、フレーズの繰り返しを大切にするというきわめて原始的な楽器であることがよけいに惹かれるそうだ。
本日の写真はここのスライドショーでご覧ください。
今日一日で様々な音や風景に出会った。やはり歩きながらこその醍醐味だ。