映画を見終わって、昨夜、バーで転勤族のサラリーマンに推薦されたおでん屋さんに行った。開店後最初の客だった。国際映画祭参加者を首にぶら下げたまま入ったら、女将さんがさっそく「映画祭の関係者ですか。私も5時まで山形の映画を見ていて、8時から店を抜け出して別のシンポジウムにも行くんですよ」と言ってくれた。映画祭に関係ない人から紹介された店が映画祭と深い関係しているというのがうれしい。
壁には、「ディア ピョンヤン」の梁英姫監督の色紙が貼ってあった。10分ほどすると、大変きれいな映画スタッフの方が、「いつもお世話になっています。時間が15分間しかないんですが、おでんを食べたいと思ってきましたが、いいですか」と言って、席に座った。女将さんが「さっき言っていた梁英姫さんですよ」と言って、間を取り持ってくれた。監督よりも、女優さんと言っていいくらいの容姿だった。彼女の映画は残念ながら予告編しか見ていなかったのだが、大阪出身だったし、また京都ともつながりがあるのを知っていた。「11月に京都で講演会があるので是非来てください」と言ってくれたので、これは出かけない手はない。最後にお礼を言って、すぐに駅に向かった。
駅で、はっしーや学生と落ち合った。貸していた機材などの点検を済ませて、バスに乗ることになった。すると、はっしーが「今の私は、今井紀明君のビデオを作った時と同じほどのエネルギーが沸いているんです。今回仕事ぶりを見させていただいて、私はとても意欲がわいてきました。ありがとうございました」ときらきらと輝く瞳で言ってくれた。これまで他の人にはなかなか理解されなかった仕事内容を評価してくれて、こちらも大変感謝している。優秀なカメラマンがその模様を撮影してくれて、バスに乗り込んだ。