何か失敗した時には、消えてしまいたい、と思うことはある。でも、この場合には、それではなく、ファシリテーションの現場でのことである。
何かのイベントや司会を務めたときには、責任感から大きな声を張り上げ、必死な顔して取り組んでいるものだ。もちろん、笑顔は忘れないようにするが、その振る舞いからは心の中の余裕のなさが誰からも見て取れる。もちろん、主催者が全力で取り組むことが参加者の共感を呼び、その気持ちが伝わることも多い。しかし、ファシリテーターの使命は、主催者の熱情とは距離を置くことである。
今日、参加したセミナーでファシリテーターが最後に言った言葉が気になった。「私が尊敬するファシリテーターは、透明な人間です。一見ぼーっとしているようでありながら、何となく最後にはうまくまとめてしまうようなタイプです。」
実はこの言葉は私の心にずしんと響いた。
全体をホールドしながらも、目標をしっかり見つめることは、主催者にも必要なことである。どのような立ち位置でどのような心構えを持つかが問われているのだと思う。