三月終わりに、京都大学で大学教育研究フォーラムが開催された。その分科会の一つに久留米大学の安永悟さんが基礎ゼミの実践を報告されていた。
教育心理学者の安永さんを中心に、非専門家による多人数の教員集団を率いて、日本語表現法などの講義を実施されている。多人数で意欲的な講義を進めておられる報告に思わず質問させていただいた。
その松永さんから、献本して頂いた本を読んだ。
以前にも書いたが、従来、大学教育、特に導入教育は、専門的な観点からの研究はされていなかった。それが近年専門家の登場が本格化してきた。日本語教師と心理学者がそうである。専門分野の立脚点からして、導入教育を専門的な観点から研究対象としやすいのだろう。いよいよ専門家が入ってきたなあという実感がする。
今期は、大講義(といってもそんなに大きくないけど)でグループワークを取り入れようと思ってこの本を読んだ。著者の一人の中京大学の杉江修治さんは、中京大学の研修会で呼ばれた時に以前会っている。三宅なほみさんにも。
それはともかく、大講義での工夫として、グループの組み方、課題の提示の仕方など参考になることが多かった。
私は次のように取り組もうと思っている。
講義の前半は座学で、後半をグループワークとする。
グループは4名で構成し、一人が司会者、一人が書記、残りがディスカッションメンバーとなる。書記は、議論に参加せず、テーマにしたがった議論を要約する。他の三名で議論をする。議論の結果は、書記が、後日、メールで送ることで議論の内容を確認する。
グループをどう組もうかという事に頭を悩ましている。
メンバーが固定せず、また役割も固定しないで、毎回、新しいメンバーと議論してもらいたいと思っている。ただ、物理的に毎回あちこち移動して、新しいメンバーを組むのはなかなか勇気がいる。そこで、まず、同じメンバーの中で役割を順に変えていこうと思う。三回回せば、今度は新しいメンバーに組み直すという方法を取ろうと思う。
杉江・安永さんの他の著書も参考にして工夫してみよう。
安永さん、ありがとうございます。