私は、94歳の母の介護しながら、大学の授業しています。
授業ボランティアは、子育てしながら、授業しています。
介護、子育て、授業はかなり関連していると思っています。
ただ、一般には「子育ても大変だけど、介護はもっと大変ですね」と言われる。確かにフルタイムの仕事しながらだと難しいかもしれないですが、時間の問題よりも、どうそれに向き合うのかが重要だと思います。
私自身介護自体はあまりつらいと思ったことはなく、逆に、母の姿を見ながら、私自身の生き方を先取りで体験させてもらっています。
昨年、子育て女性に出会ってから、子育てと介護がかなり似ているのではないかと思っています。ですから、授業に小学生が見学に来てもあまり違和感がないです。以前、もっと小さなお子さんが見学に来てくれた時には、うれしくなって走り回ったりしていましたが、むしろそうしたことをほほえましく思っていました。
確かに突然声が聞こえたり歩き始めたりするとちょっとびっくりしますが、「町歩きしながら学ぶ授業」をめざしている私としては、町ならばそういうこともあっておかしくないと思うと、むしろ、彼らが授業に関われるように頭が働きます。
実は、94歳の母も見学に来てくれました。この年にもかかわらず、授業でグループワークしたり、考えていることを書き出すことには苦労しないのですが、この時には、補聴器の電池切れで他の人の話が聞こえないので、急遽、話すだけにしました。(話しが聞こえない高齢者にどう関わってもらうかは今後の課題です。)
「介護するように授業する、授業するように介護する」ということが今の私の思いなのですが、要は、介護、子育て、授業とは、自分一人ではなく、他の人と一緒に取り組む点で共通していると思います。
介護者が被介護者に、親が子供に、教員が学生にという向き合い方が問われています。
先の授業の時に、不登校の小学生が母親に連れられて見学に来てくれたのですが、最初は母に対して、「ここは嫌」「なにもしない」「帰りたい」など不平を言いまくっていました。
しかし、グループワークが始まって、母親が子供さんから離れたとたんに、それまで嫌がっていたお子さんは、学生の中に入って一緒に授業に加わっていました。最後には、「また、来てもいい?」と聞いてくれるまでになりました。
これを見て考えたのは、母親に守られているだけでは子供は自立しないのであって、子供が母に守られる存在から離れることが重要です。
いつも介護されるだけの被介護者、守られるだけの子供、教員のいう通りの学生は最悪です。
むしろ、被介護者の母は私を介護することも事実あるし、子供が頼りない親を守ることもあるし、学生も教えない教員の代わりをすることもある。
自分が相手への向き合い方が問われているし、逆の立場になることも必要なんだと思います。
介護するように授業する、授業するように介護するという行き方が、60歳になってようやくわかってきたことです。
来週も授業見学募集です。お越し下さい。
11月13日(水)水曜日
1)大谷大学「大学の学びを知る」
講師 筒井洋一
ボランティア 田井中麻美、大松有香、西村奈美さん
午前10時40分〜12時10分
大谷大学慶聞館(きょうもんかん)K402
地下鉄「北大路」駅下車すぐ
2)京都工芸繊維大学「リーダーシップ基礎2」
日時 午後5時50分〜7時20分
場 所 京都工芸繊維大学 東3号館(旧ノートルダム館)2階 K201号教室
講 師 筒井 洋一
ボランティア 西森 寛・安田 圭佑さん
<アクセス>
交通アクセス
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