昨年に続き、今年も成安造形大学修了力育成演習C(大学三年生)で、Zoomを使った高校生インタビューを実施しました。
大学生7名と高校生6名、高校教員3名+校長、大学教員1名、見学2名がZoomで一同に会しました。学校交流というと、他人数の生徒と、もう一方も対人数の生徒や学生という「多対多」の交流になってしまいがちです。
いろいろ事情はあるのですが、「1対1」の交流はなかなか難しい。なので、是非これはいれたいと思っていました。成安と銅舵は、1時間くらい離れた場所になり、そこをコストも時間もかからず交流できるのですから、Zoomの交流は魅力的です。
普通は、大学の通信環境が整備されていて、公立高校側の端末やwifiに制限があるものですが、この場合は、逆です。大学のwifiは、教職員用であっても、よく落ちるので、怖くて使えないです。そこで、メディアセンターの全面的な協力によって、大学側の拠点であるホールに有線LANを張り巡らしてもらいました。
さらに、昨年は、学生をホールに集中して、別々のチームとして、Zoomに入っていたので、ハウリングの心配がありました。しかし、今年は、ホールには、2名だけで、残りはいつもの教室と自宅から入るということで、学生のアクセスが非常にスムーズに行きました。
高校側も昨年の経験を踏まえて、wifiが落ちることもなく、スムーズでした。生徒は、BYO(Bring your own)iPadを持っているので、すぐに対応してくれました。
こうした大学・高校双方の通信環境が整備されてこそ、Zoomが本格的に活用できます。Zoomには、ブレイクアウトルームという、多人数が集まっていても、少人数で話せる機能があるので、これを使ってこそ意味があります。https://zoom-tatsujin.com/point/
具体的に言うと、大学生Aと高校生Aとがルーム1,大学生Bと高校生Bとがルーム2,などと分かれる機能です。ルーム内では、互いに双方向で話ができます。少人数なので、じっくりと話せます。今回は、40分間でしたので、かなり密な話になりました。
また、昨年との大きな違いは、大学生が高校生に話すだけでなく、大学生が問いの作り方を学んだことです。インタビューは、問いの出し方が重要ですが、その問いのためには、まずは、高校生の話をしっかりと傾聴することです。しっかり聞いてこそ、そこから問いが生まれます。
慣れないうちは、傾聴よりも、問い作りに関心が言ってしまいますが、それだといい問いは生まれません。以下に相手の話が聞けるのかという訓練をしました。この訓練を経た学生とすでない学生との違いは大きいです。
40分間ほど少人数で話した後、再度、メインルームに集まった時の高校生の興奮した表情が忘れられません。話を聞いてもらって楽しかったんだと実感しました。
ブレイクアウトでの話しはすべて録画していますので、大学生は自分の問いを振り返りワークをします。
教師があれこれ評価するのではなく、学生自身が自分のインタビューを見て、以前と比べてどうだったのかを学んでいくことになります。教師から学生にいろいろアドバイスしたいことはありますが、それは最低限にして、むしろ自分自身の振り返りで、どこまで吸収するのかにかかっています。
教えるのは教師ではなく、学ぶのは学生自身であることを徹底したいと思います。