【教室のドアがいつもオープンです】
小竹 知紀さんのご紹介で、午前2、3限、午後4,5限、補習の最初を見させて頂きました。
高校2年生理科コース担当の田内雅人(国語)、小竹(物理)各先生の授業でした。
2限目の小竹先生の授業は、最初5分間レクチャーをしてから、生徒が達成目標を書いた後は、グループワークを生徒自身の判断で進めていきます。生徒が尋ねてきた時にはできるだけ問いを返していきます。生徒もこの進め方に慣れてきているようで、生徒の所作が日常的です。途中に、渡辺コース主任も見学に来られて、理科コースの授業運営を管理職がどのように支えるのかを力説されていました。
3限目の田内先生は、広告の表現手法について学んでいくことでしたら、この日だけはオーソドックスな形での授業が進行してきました。ただ、今後、生徒がグループで実際に広告を作る段階ではアクティブな形になっていくとのことでした。他の授業でもそうですが、生徒が先生に反応を返すことが頻繁です。これら教員としてとてもやりやすいし、そういう雰囲気を創ってこられたことがわかります。
アクティブ・ラーニングが生徒の中に根付くためには、一つの授業や教員だけでは大きな変化がありません。その点で、このコースでは主要教科三科目でアクティブ・ラーニングで共通しており、それが生徒のマインドセットに影響を与えているのでしょう。生徒側からすると、その方がはるかにふるまいやすいです。
横の連携ができつつあると、次は縦の接続も考えていきます。中高一貫校では生徒を6年間のスパンで考えられます。横と縦という二つの視点で生徒を考えることの重要性はわかりながらも、大学ではそれがなかなか現実化しません。なぜなんでしょうか。
この高校でも、立命館守山高校に行った時と同じような文化を感じます。生徒は学外者に対して、体育会的な人工的な挨拶をせず、挨拶する必要があると考える生徒だけが挨拶をしてきます。生徒に対して、細かい指示を与えるよりも、考えて判断することを意識しておられます。
終了後に、水口貴之先生や酒井淳平先生にもお話を聞かせて頂きました。この学校には互いの授業についての工夫を相談する雰囲気があります。
アクティブ・ラーニングがうまく行き始めている学校の特徴として、
1.教員が複数名で取り組んでいること、
2.教員の教授法は異なっていますが、学生の能動性を高める点は一致していること、
3.教員の教科も多様であること、
4.教員同士で互いに教授法や生徒に関する意見交換が活発であること、
5.管理職ともつながって、支持を得ていること、
などが挙げられます。
立命館付属高校の特徴を一言で表すとすると、私は、「教室のドアがいつも開放されていること」だと思っています(立命館守山高校もそうでした)。一方で、公立高校では教室のドアを開けっ放しにしている学校は非常に少ないです。
ドアが開いていると、生徒は絶えず外とのつながりを感じますし、他の教員もその授業を見てしまいます。授業をたえず外の目にさらしておくことで、生徒もさらに学びます。教室空間の孤立した学びではなく、オープンな環境を大切にしたいものです。