9月28日、友人の福田美誉さんが勤務されている学校の授業見学をさせていただきました。民間教育機関はどこでもそうですが、受講希望者以外の授業見学という制度がない中で、好意的に受け入れてくださいました。
学校は阪急梅田駅の真横のビルにあり、絶好の位置にあります。
見学させて頂いた授業は、専任教員西山貢世先生の「リーダーシップ養成2」でした。授業概要は、実際の仕事に限りなく近い状況を作り、業界に偏らない普遍的な仕事力を身につけるというものです。第三週までの試験で受講生の理解が不十分だった「情報要約力」を重点的に取り組むという第四週目でした。
受講生は、大学生もいますが、社会人も混ざった背景が異なるメンバーの集まりでした。大学や学校では学生・生徒だけになってなかなか社会人を含めるのは難しいのですが、民間教育機関だからの強みです。
長年の経験豊かな教員が担当されているので、全体への目配り、受講生の関心をそらさない授業運び、時間で区切りながらペースをつかみ、個人ワークとグループワークを組み合わせた教育方法で、完全習得学習の見本みたいに見事なものでした。
授業教材としてビジネス検定3級の問題文が出ましたが、ある社員の一日の仕事内容を記述した文章から、当日不在だった店長にどのような報告をすればいいのかを考えるという課題でした。忙しい仕事の中でいろいろトラブルが起こっていく中であたふたとした社員の姿が記述されているのはよくわかるのですが、報告文を書くという段階になると一気に難しくなります。私も読みましたがなかなか手強かったです。でも、これが実際の仕事で毎日こなしているとできるようになるのでしょう。このあたりが仕事から得られる経験なのでしょう。
受講生もみなさん苦労していたと思いますが、他の受講生のまとめかたを見ながら、自分の報告文を創り出していきます。個人ワークで書き、他を鳥瞰し、共有し、最後に自分にまとめていくという一連の過程を授業で体験できます。この課題がどこまで切実感を持って取り組むかによって、アウトプットはかなり異なっていくと思います。
終了後に、西山先生以外に、福田さんと岡田洋経営戦略本部長と懇談しました。私にとっては初めての民間教育機関の授業見学ですから、学校・大学、企業、民間の三者が結びついた視点で始めて見ることができました。三者に行政も加えた四者で広い意味での教育機関を形成しており、生涯学習の視点から学習者の学習行動を見る必要があると思いました。たとえば、大学も民間教育機関で学ぶ数も増えていますし、その教育が大学との相乗作用を起こす必要があります。
懇談の中で私が気になったのが学生が毎回記入していたリフレクションシートをどのように活用するのかです。ベテラン教員ですからそれを見るだけで学習者の学びの現状が手に取るようにわかっておられています。記録化が整備されているのでしょう。
ただ、これが50名、100名の大規模になるとどのように分析するのかは、いずれの教育機関であっても課題となっています。このあたりを意識して私は授業しているのですが、リフレクションをどう活用するのかは今後大きな問題となってくるでしょう。
民間であれ、学校であれ、学びを深めるためには学習者自身の意欲をどこまで高めるのかという課題は同じです。その点では、夜間の授業であっても、意欲を継続しながら学ぼうとする学習者の姿勢に励まされました。
ありがとうございました。