【学生同士がありがとう! と言える授業は素晴らしい】
昨日、ある学校の授業を見学させて頂きました。
医療系専門学校なので、授業内容も専門的な内容でしたが、驚いたのは、教育学の教授法を活用した徹底した学生主導型授業であることです。
初回の授業と言えば、まず授業ガイダンスでしょう。それはもちろんですが、同時に学生の学びを開花させるアイスブレイクもしっかりされました。
その次に何をすると思いますか?
15週の授業計画を学生自身が作るんですよ!
えー、教員じゃなくて、学生が作るんですか!
これって、私がやろうと思ってできなかったことを、しかも初回にやるんですか。
学生は昨年からの連続で受講しているのでやることはわかっているのですが、反面で、教員がもっと教えてほしいという不満も一杯出てくる。教員は別の部屋で待機している中で、私は学生グループに入ってかれらの言い分を聞いていました。
確かに彼らの不満もわからないでもないけど、教員は学生に正解を求めさせようとはしていないで、自分で考えて、自分で責任を持とうとさせているのだと思うのがよくわかる。
「この授業がいかにすごいことやっているのか、医療現場で患者さんと接した時を想定したシラバスを学生が作るなんて、大学でもほとんどやっていない。みなさんは、日本のフロンティアだよ」などを話していたら、「教員に言われると実感がないけど、学外から来た方から聞くと、なんかとてもうれしくなる」と言っていました。
私がこの授業で一番驚いたのは、週当番が司会役になって話し合いを進行させているのですが、司会役がみんなをまとめて、結論を出すと、学生がなんと言ったと思いますか?
司会役に向かって、多くの学生が「ありがとう」と返すんです。何かをしてもらった時には、必ず声を出して感謝を伝えるということを話し合いの場で学生が普通にやっている姿に圧倒されました。
学生に対して、「なぜありがとうって言葉を言うの?」と尋ねると、「司会がわれわれのためにやってくれたから、いいました」とごく普通に返答したのにまたびっくりしました。
これって、岩手県立大野高校で生徒が客に向かって、「お疲れ様」という言葉をかけるのも驚きましたが、これはさらにすごい。
やはり他校の授業見学には言ってみないとわからないものです。
受け入れて頂いてありがとうございました。