『学びとコンピュータ ハンドブック』発刊

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CIEC(コンピュータ利用教育協議会)発足10周年記念誌として出版された書籍がようやく日の目を見ました。ハンドブック発刊計画から約一年間70名以上の寄稿者の協力をえて発行されたこと自体、通常の学会ペースで言えば殺人的なスケジュールでした。しかも、原稿のクオリティーを落とさないでほしいという要望も来ていましたから、編集者の気苦労はかなりのものでした。

全体の章立ては、以下です。

学びとコンピュータハンドブック

学びとコンピュータハンドブック

  • 作者: 佐伯胖,CIEC
  • 出版社/メーカー: 東京電機大学出版局
  • 発売日: 2008/08
  • メディア: 単行本

(1)学習観・教育観(佐伯胖) 

(2)コンピュータ、ネットワークの技術的・社会的展開(鳥居隆司)

(3)コンピュータ利用教育(矢部正之)

(4)「情報」教育(大岩 元)

(5)小中高での「情報」教育(大橋真也)

(6)大学における「情報」教育環境(立田ルミ)

(7)外国語教育・学習におけるコンピュータ利用(上村隆一)

(8)各分野におけるコンピュータ利用(小林昭三、高橋敬隆)

(9)社会人教育における授業法(妹尾堅一郎)

(10)社会とコンピュータ利用教育(筒井洋一)

ただ、私が章編集者として担当した「第10章:社会とコンピュータ利用教育」は、会員以外であっても、顕著な貢献をする方であれば執筆者になってもらって構わないという例外が適用されたので、執筆者の選考はかなり自由度がありました。

そこで、必ずしも学者にこだわらず、その分野で一家言ある方にご登場願いました。日本のインターネットの発展を支えてきた会津さんや浜田さん、画像・動画の標準規格であるJPEG、MPEGの策定に尽力された安田先生、テレビのネットの双方の将来にわたって明確なビジョンを提示する坂本さん、そしてわが盟友である広告制作会社「ドリームデザイン」石川さんなどそうそうたる顔ぶれです。

  1. 世界情報サミット(WSIS)と情報社会の未来  会津泉(ハイパーネットワーク社会研究所副所長)
  2. デジタルデバイドと国際社会        浜田忠久(JCAFE代表)
  3. 対話装置としてのWWWの実践         石川淳哉(Dream Design CEO)    
  4. 「ネットと放送の融合」問題   坂本衛(ジャーナリスト)
  5. 市民メディアの発展と市民の情報発信の高まり筒井洋一(京都精華大学)
  6. 政治活動へのインターネット利用      湯浅懇道(九州国際大学)
  7. アニメの新しい広がり―紙からケータイへ― 表智之(京都国際マンガミュージアム研究員)
  8. ビジュアルリテラシー教育のために     安田浩(東京電機大学未来科学部教授)  

字数制限やスタイルの統一が厳しかったのですが、執筆者はなんなくクリアされて見事な原稿を出してくれました。

情報社会の今を切り取る文献としては、ここまで網羅的にフォローした類書はないと思います。是非ご参考下さい。

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