【なぜ教師は他の人と一緒に授業を創ろうとしないのか?】

教師一人で授業するのがあまりにも当たり前になっているので、異議を挟むことが難しい。あるいは、複数人で授業すると、謝金が増えるので困ると考える方もおられるでしょう。

いえいえ、私は謝金を増やすことを求めていません。

事前に、TAやSAという制度があって謝金が出される場合にはそれに従います。しかし、私が非常勤講師であって、他に謝金がない場合には、それでも構いません。このことは、教務課を通じて承認をいただいています。私は、そういうスタンスでやっています。

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授業見学希望者は、以下からお申し込みいただけるとありがたいです。https://peatix.com/event/1934713/view6月3日(木)京都工芸繊維大学「リーダーシップ基礎1」授業時間:毎回午後4時20分から午後7時半(ただし、対面授業の場合には、オンライン参加は午後4時半から)

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たとえば、現在担当している京都工芸繊維大学「リーダーシップ基礎」科目では、

前期は、「わずかな謝金が出るSA」と一緒に取り組みながら、

後期は、「謝金がまったく出ない授業ボランティア」とも一緒に取り組んでいます。

いずれも私にとってはなくてはならない存在ですが、「謝金が出るSA」と「謝金がまったく出ない授業ボランティア」とは同時に混在させず、異なる学期にそれぞれ実施しています。

では、「謝金が出るSA」の方が「謝金がまったく出ない授業ボランティア」より意欲が高いかというとほとんど変わりません。謝金の有無と意欲とは全く無関係です。ここが興味深いところです。

誰でも募集していますが、実際に応募される方は、金銭よりも、大学の授業にボランティアで関わって、自分のやりたいことを実現することに関心があるのだと思います。

もちろん、まったく無償というのも心苦しいので、私はほんの少し還元していますが、実際の業務からすると、まったく見合いません。

そういう説明をしているとある方から、その活動の意義はあるにしても、「やりがい搾取」になる可能性がある、という指摘を受けました。私も働かせ過ぎてはいけないので、むしろやり過ぎを抑える側に回っていますので、「やりがい搾取」はいい過ぎです。ここは、是非知っておいてもらいたいことです。

私にとっては、SAであれ、ボランティアであれ、いずれも一緒に実現していくのに欠かせない方々なので、彼らが意欲を持ち続けられるように尽力しています。でも、いつもその通り行くか行かないかは、残念ながら、ケースバイケースです。

私が提供できるのは、教員と一緒にSA/ボランティア中心の学びの場を創ることであって、どこまでそれを実現できるかは、SA/ボランティア自身の関わり方にかかっています。でも、だいたいうまく行きます。

私は、「だいたいうまく行く」で十分だと思っています。

ある方が、私が「SA/ボランティア中心の学びの場を創る」という話をしたら、「それには賛同するけれども、場合によっては、自分だけでやりたいという気持ちもわきます」というコメントをいただきました。私もその気持ちはよくわかります。

私がその気持ちを抑えるために、事前に担当する時間や役割を決めておきます。

たとえば、授業最初の10分間だけ私が担当すると決めておきます。もし私が予定時間や役割を越えてしまった場合、SA/ボランティアに言ってもらえる環境を創るようにしています。教師の時間や役割を決めておくと、必然的に、SA/ボランティアがやることが決まってきますので、私はそれが順調に進行するように努力します。

30年以上大学教員をやっていて、授業設計についても経験がありますので、たまにSA/ボランティアがやることに不安を持つことがあります。

でも、面白いのは、たとえ私の方がよかったにしても、結果的にはSA/ボランティアがやった方が学生は自律的になり、目標に到達しやすくなります。任せてよかったと思うことがしばしばです。

ただ、それは、私の能力不足が原因かもしれません。たとえそうであったとしても、授業内に学生の自律性を高め、目標に到達しやすくなる人材を得ているならば、むしろ喜ぶべきだと思います。教師一人で授業していると、外から閉ざされています。

しかし、教師以外と一緒に授業し、見学者も受け入れていると、常に外に開かれています。教師と学生だけの閉鎖空間ではなく、絶えず外とつながっている学びの空間のことを私は「まち歩きするような学び」と表現しています。町を歩いていて何か疑問が出てきたら、そこで学びあうような学びが、対面に限らず、オンラインにもあるといいと思います。

最後に、こうした試みをするにあたって私にとっての誇りは、

私がそうした場を開いたことからすべてが始まったことと、

SA/ボランティア終了後に、みなさんが多方面で活躍されることです。

特に、後者の活躍はとても励まされます。

素晴らしい教師ならば、一人であっても刺激的な場を創ることができるでしょう。しかし、私は素晴らしい教師の授業ではなく、ごく一般の教師でもより充実した授業を創るためには、やはり教師以外と一緒にやった方が近道だと思います。

ただ、在職中には、何名かの教員がリレー式で授業することがあるのですが、私の経験で言えば、相互のつながりを意識しないままやっていたのでほとんど効果はありません。

もっとより互いの連携を深める準備を一緒にしてゴールの実現に向ける必要があります。

私自身が実際にどのように授業をしているのかについては、二週間に一度オンライン授業に参加していただければありがたいです。

見学に来てやろうという方は、以下からお申し込みいただけるとありがたいです。https://peatix.com/event/1934713/view

6月3日(木)京都工芸繊維大学「リーダーシップ基礎1」

授業時間:毎回午後4時20分から午後7時半(ただし、対面授業の場合には、オンライン参加は午後4時半から)

以後も実施します。

6.6月 17日(オンライン) 5-6限 クラス発表

7.7月 1日(対面)     5-6限 全体発表

8.7月 15日(対面)     5-6限 クラス別

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