以前から知っていたオープンダイアローグ。精神疾患を患った患者を治癒する方法として、医者、看護士、薬剤師、患者の家族などの関係者が一同に会して、対話を繰り返す。
元は、医療費削減や医療的制限の中でフィンランドの片田舎で生まれた方法は、通常の治療方法とは違っていながらも治癒率を上げていることから、より広い分野での応用も期待されています。
昨日、町中のお寺で開催されたオープンダイアログリフレクティング研究会のセミナーに行って来ました。誰も知らない場所に行ったことで、実に気持ちよく参加できました。
昨12月福井県立大学の山川修さんが開催されたワークショップで、オープンダイアログ専門家をフィンランドから招聘したり、日本からのツアーを計画している方々によるダイアログの初体験でした。
今回は、それから久しぶりの体験でした。基本形は、悩みを話す人とそれを聞く人がいて、そのやりとりを聞きながらも、呟くように自分の思いを伝えるリフレクターという三つの役割がありました。私がリフレクターを勤めて、話し手を聞きながらも、何気なく呟き、それが一段落したら、再度、話し手聞き手の話が進行し、また一段落したら、リフレクターのつぶやきが繰り返されるという約2時間のセッションでした。
私が1990年代末から、話し手、聞き手、書き手の三者がおこなうトリプルインタビューを実践してきたので、このダイアログ方法はすぐに馴染みました。違っているのは、話し手と聞き手以外の第三者が二者に直接話すのではなく、間接的に話すという方法です。
このダイアログは初めての人は戸惑う可能性がありますが、普通は、専門家である医者が前面に立って、患者に向い、その他の方は光景に退くという構図であるのに対して、患者を含めてすべての関係者がフラットな対話をおこなうことは私にとっては納得のいくことです。
私の参加したセッションとは違うセッションでは、話し手が三名で、順番に話し、聞き手は三名に共通する問いを投げかけるという、より統制の効かない場での対話がおこなわれていました。
初めて参加した方は、三名の話を聞くだけで疲れたようでしたが、そこを超えると面白い可能性があります。
私がイメージしているものとかなり似た世界を持っている気がしました。私もどこかでやってみたいと思いました。