大学コンソーシアム京都が高校や京都市と提携して開催している「高大連携教育フォーラム」にはかなり前から関わっているが、今年10周年記念の大会です。記念にふさわしい試みと言うことで、シンポジウムのディスカッションを単なる発表者と1質問者とのやりとりで終わるのではなく、参加者相互で考える双方向の形式をやってみたいという主催者の強い思いがあり、私がファシリテーターを務めることになりました。
参加者数は150〜200名程度だが、高校教員、大学教職員、教育企業など多彩な参加者が全国から集まる予定です。大人数が、またグループワークに慣れていない参加者がいるだろうなかで、どういう双方向の対話ができるのかは、正直、わかりません。しかし、会場の下見をした中で、なんとか可能な道があるのではないかと思いました。どうなるかはお楽しみに。
第二部「表現技法」分科会では、シンポジウムという形式自体を崩して、参加者のグループワークの中から、新しい発見をしようと思っています。テーマは、私も授業に関わらせていただいている神戸の私立高校の授業が事例です。テーマは、四コマ漫画で自分の強みを表現しようというものです。精華大生も関わってもらったことでかなり面白い展開になってきました。
一般に、高大連携授業といえば、単に大学教員のお仕着せコンテンツを高校に提供するのが多い。しかし、この高校では、私はプロデューサに徹し、高校教員間での連携と大学生の参加とを媒介にして、化学反応を起こそうとしています。高大連携授業の新しい展開を意図しています。
12月7日(金)、キャンパスプラザ京都にお越しください。
なお、例年、参加申し込みが殺到しますのでお早くお申し込みいただけるとありがたいです。
■第10回 高大連携教育フォーラム
【開催趣旨】
高大連携教育フォーラムは、全国より高等学校教員、大学教職員、教育系企業の関係者が一堂に会し、高大連携の取り組みにおける「国内動向の情報共有と京都における取り組みの情報発信」を目的に、2003年度より開催され今年で10年目を迎えます。
本年の第10回高大連携教育フォーラムについては、「これからの時代に求められる学力・能力とは?-教育の目標を明確化するために-」をメインテーマに掲げ、開催いたします。
【構成】
2部構成となっております。部分参加も可能です。
第1部については、「中教審答申の理念と新学習指導要領」をテーマにした基調講演、ならびに高校・大学・社会それぞれの現場の立場から話題提供をしていただくシンポジウムを行います。午後からは、基調報告・シンポジウムでの問題提起を受け、Aグループ「キャリア形成」、Bグループ「高大接続」に分かれ、参加者同士で意見交換をしていただきます。
第2部では、「表現技法」「数学」「英語」「理科」の各教科をテーマとし、高大での連続性を備えた接続教育の可能性について高大両者からの事例発表、ならびに意見交換をしていただく分科会を行います。
詳細は下記ならびにチラシ(PDF)をご覧ください。
【お申込み】
お申込みにつきましては、申込用サイト( https://event.consortium.or.jp/kodai10/ )にアクセスいただき、画面の指示に従って申込手続きを進めてください(お使いのブラウザのcookieを「有効」に設定していない場合、お申込みできないことがございますのでご注意ください)。
お申込み期間は10月9日(火)12:00~11月22日(木)17:00とさせていただき、先着順にて承ります。あらかじめご了承ください。
★定員 第1部(基調講演・シンポジウム)-200名 第1部(ディスカッション)-各100名 第2部-各30名
開催概要
開催日時 | 2012年12月7日(金)9:30~17:00 (9:00受付開始) |
会場 | キャンパスプラザ京都(京都駅前) |
構成 | 2部構成(部分参加も可能です。 |
申込方法 | 下記URLよりお申し込みください。先着順となります。 (お使いのブラウザのcookieを「有効」に設定していない場合、お申込みできないことがございますのでご注意ください) https://event.consortium.or.jp/kodai10/ |
申込期間 | 10月9日(火)12:00~11月22日(木)17:00 |
参加費 | 京都府内の高等学校・大学関係者 1,000円 上記以外の方(京都府内の企業参加者含む) 2,000円 ※当日受付にてお支払いください。 ※参加費にはレジュメ・資料集代を含みます。 |
主催 | 京都高大連携研究協議会 (京都府教育委員会 京都市教育委員会 京都府私立中学高等学校連合会 京都商工会議所 公益財団法人大学コンソーシアム京都) |
登壇者・テーマ
講演 9:30~10:30 |
テーマ | 中教審答申の理念と新学習指導要領 | |
講演者 | 安彦 忠彦(神奈川大学特別招聘教授・名古屋大学名誉教授) | ||
概要 | 平成20年の中教審答申の理念ないし趣旨と、それによる小・中・高校の学習指導要領の改訂とを対比しながら、全学校段階でめざされた理念を核にして、主に高校段階の改訂学習指導要領の基本的特徴を明示し、合わせて大学との接続・連携に関連する問題について、現時点における国の今後の施策の方向を概略して述べ、シンポジウムのための情報提供とする。 | ||
シンポジウム 10:30~11:30 展開・まとめ |
パネリスト | 笠谷 卓生(近畿高等学校進路指導連絡協議会事務局長・京都府立鴨沂高等学校進路指導部長) | |
椋本 洋(大学コンソーシアム京都 高大連携推進室/立命館大学 理工学部講師) | |||
今村 亮(特定非営利活動法人NPOカタリバ カタリ場事業部 事業部長) | |||
コーディネーター | 内村 浩(大学コンソーシアム京都 高大連携推進室長/京都工芸繊維大学 アドミッションセンター教授) | ||
ディスカッション 13:30~15:00 |
Aグループ 【キャリア形成】 定員100名 |
テーマ | 高大連携をふまえたキャリア形成教育 |
報告者(提案者) | 遠山 秀史(京都府教育委員会 高校教育課 指導主事) | ||
コーディネーター | 中村 博幸(大学コンソーシアム京都 高大連携推進室/京都文教大学 臨床心理学部教授) | ||
コーディネーター | 浜畑 芳紀(大学コンソーシアム京都 高大連携推進室/立命館大学 教育開発推進機構教授) | ||
概要 | 教育の場における“キャリア”ということばの使われ方は、キャリア指導、キャリア教育、キャリア形成の様に変化している。キャリア指導は、就職の為の資格取得やマナー・ルール等のスキル育成が中心であった。キャリア教育は、適性テストや自己分析をふまえて将来の進路について考える教育であった。そしてキャリア形成は、リテラシー(PISA)やキー・コンピテンシー(OECD)を意識して、ジェネリック・スキルの育成に焦点があてられている。しかし、これらの用語の意味は、個々の教員や高校・大学、各々でも認識が異なるといえる。そこで本分科会では、論点を整理した上で、参加者が小グループに分かれて議論を行う形の展開をはかりたい。 | ||
Bグループ 【高大接続】 定員100名 |
テーマ | 高大接続の新展開 | |
報告者 | 鈴木 誠(北海道大学 高等教育推進機構・高等教育研究部/大学院 理学院教授) | ||
コーディネーター | 山本以和子(大学コンソーシアム京都高大連携推進室/京都工芸繊維大学アドミッションセンター准教授) | ||
ファシリテーター | 筒井 洋一(大学コンソーシアム京都高大連携推進室/京都精華大学 人文学部教授) | ||
概要 | 激しく変化し、予測不可能な社会における大学機能の再構築が求められている。6月の文部科学省「大学改革実行プラン」では、グローバル化対応、主体的に行動できる人材育成を目指した大学教育への質的転換のために、大学入試についても学ぶ意欲や力を測るような現在の機能からの転換を掲げている。そのために高校教育と入試そして大学教育をどのようにつなげ、しくみを構築すればいいのか。まずは、このテーマについて北海道大学の鈴木先生からフィンランドの大学入学資格試験事例についてご発表いただく。本ディスカッションでは、既存システムに囚われずに日本以外の事例も視野に入れた発表者の問題提起を受けて、参加者同志の話し合いを行い、問題提起を聞くだけでなく、参加者自らがより身近な解決策を模索することを目的にしている。 |
第1分科会 【表現技法】 定員30名 |
テーマ | 高大連携授業「自己を表現することで強みを伸ばす」 |
報告者 兼 コーディネーター |
筒井 洋一(大学コンソーシアム京都 高大連携推進室/京都精華大学 人文学部教授) | |
報告者 | 大木 誠一(神戸国際大学附属高等学校 教諭) | |
概要 | これまで本分科会では、広い意味での表現力の育成について、教科・専門にとらわれない高校・大学教員の報告を中心に展開してきた。 本年は、それをさらに前進させるために、発表者である高校教員と大学教員が共同で高校の授業を企画し、それを素材にして、参加者同士でよりよい問題解決を図る。 事例としては、神戸国際大学附属高校2年生(アスリート中心)のホームルームを取り上げる。生徒は、四コママンガで活動歴をビジュアル化し、それを第三者にプレゼンテーションするものである。 分科会参加者には、アスリートにとらわれるのではなく、むしろ生徒一般が自身の強みをどのように表現すればいいのかについて考えてもらう機会となる予定である。 |
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第2分科会 【数学】 定員30名 |
テーマ | 数学を活用して思考・判断・表現する力をつける |
報告者 | 松浦 清恵(京都市立堀川高等学校 教諭) | |
報告者 | 川添 充(大阪府立大学 高等教育推進機構 教授) | |
コーディネーター | 古池 強志(京都市教育委員会 指導主事) | |
概要 | さまざまな課題の解決にむけて、数学を積極的に活用して思考・判断・表現する力を身に付けることは、現代社会を生き抜いて行く上でも重要なこととされている。 そのような能力や態度を養うことを目標の一つに揚げている高等学校新学習指導要領のもとでの高等学校現場の取組や課題、また、数学を思考ツールとして用いる力を身につけるための大学での授業実践などを報告し、発達段階を考慮した数学での言語活動の充実、数学を積極的に活用して数学的論拠に基づいて判断する態度の育成、そしてその視点から高大連携の可能性などについて考える。 |
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第3分科会 【英語】 定員30名 |
テーマ | 英語教育における効果的な高大連携を考える |
報告者 | 東谷 保裕(立命館宇治高等学校 教頭(国際教育担当)) | |
報告者 | 山岡 憲史(立命館大学 教育開発推進機構教授) | |
コーディネーター | 今川 佳紀(立命館宇治高等学校 外国語科主任) | |
概要 | 立命館宇治中学校・高等学校では、生徒の英語力や教員の指導力の伸長を目的として立命館大学の様々な学部と連携している。例えば、教育開発推進機構と協同して、よりコミュニカティブな文法指導を目的とした教材(問題集)の開発や、英語教育をより効果的に行うために不可欠であるCan do listの作成を行った。また、文学部と連携して、本校英語教員の指導技術の向上を目的とした研究授業を実施したり、英語教員志望の大学生をインターンシップ生として本校で受け入れ、学生の英語指導技術向上につながるよう指導を行ったりした。分科会ではこのような高大連携の具体例を紹介させていただき、より効果的で実りある高大連携の在り方について議論を深めたい。 | |
第4分科会 【理科】 定員30名 |
テーマ | SPPによる高大連携講座の実践 ~高校生や大学生TAが体験し考えたこと~ |
報告者 | 谷口 謙作(京都府立莵道高等学校 教諭) | |
報告者 | 京都工芸繊維大学 大学院 工芸科学研究科生2名 | |
コーディネーター | 遠山 秀史(京都府教育委員会 高校教育課 指導主事) | |
概要 | 京都府立莵道高等学校は、平成19年度(2007年度)から文部科学省のSPP(サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト)を活用して、京都工芸繊維大学の老田准教授との高大連携講座を実施している。テーマは「水表面の不思議(表面張力のしくみや界面活性剤の働き)」で、普通科理系2年生対象の3回連続講座。1回目は大学研究室での実験、2回目は高校実験室での実験、3回目はその実験内容と結果と考察を班ごとにまとめて発表・質疑応答を行う。3回の講座の中で高校生が体験したこと、大学生が体験したこと、その体験を通して高校生や大学生や教員が何に気付いてどのような成長があったかについても報告を行う。 |
情報交換会(兼 京都高大連携研究協議会発足10周年記念レセプション)
会場 | リーガロイヤルホテル京都(堀川通塩小路下る) 2階 愛宕の間 |
参加費 | 2000円(第1部・第2部の参加費とは別途必要) ※当日受付にてお支払いください。 |
定員 | 60名(先着順・定員に達し次第受付終了) |
※第1部・第2部いずれかに参加される方のみ参加できます。情報交換会のみの参加はできません。 |
その他
構成団体は、京都府教育委員会、京都市教育委員会、京都府私立中学高等学校連合会、京都商工会議所、公益財団法人大学コンソーシアム京都の5団体です。
お問い合わせ
京都高大連携研究協議会事務局(大学コンソーシアム京都 高大連携事業部)
電話: 075-353-9153 ファックス: 075-353-9101