言葉のない紙芝居をめざす

ヤッサンの話を聞く

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本日、ラジオカフェで紙芝居のヤッサンこと安野侑志(ゆうし)さんが講演した。30分間は紙芝居の実演で、残り時間は紙芝居の歴史や新しい動きの説明であった。

通常だと、時間が来たら講演を始めてもらうのだが、ヤッサンの場合には、まず付近を呼び込みすることからはじまった。やっさんが拍子木を打ち鳴らしならし、弟子が旗を持って、何名かの子供がその後をついていく、という現在では失われた光景がはじまった。呼び込みの効果があり、通りがかりの学生も講演会に参加してきた。

出し物は昔懐かしい黄金バットなどの紙芝居と、その途中には駄菓子の販売もおこなわれた。私も駄菓子を購入したが、型抜きは見事失敗した。参加していた小学生は何枚も成功していた。

ヤッサンは、京都国際マンガミュージアムの中で、毎日講演しておられるのだが、伝統的な題材と共に、紙芝居を発展させようという気持ちが大変旺盛である。「言葉のない紙芝居」というカウントダウンではじまる四コマ紙芝居を始めながら、言語の超えたメディアとしての役割を展望している。

彼は、おざなりな教訓だけを並べる教育紙芝居は、子供の意欲を損なうということを語った。そうではなく、むしろ、大人と子供の関係を見直す機会を紙芝居を通じて実現したいのだ。彼は、伝統だけに固執する単職人ではなく、学術的な背景を持ったクリエータとしての役割を担っている人材である。多くの弟子に囲まれて、新しい紙芝居の世界を創造する先駆者である。

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