2コマ連続の授業のため、7月6日8回目が最終日でした。
この授業には、履修者数 144名 教員 9名、SA8名 見学者数のべ115名
270名以上の参加者が関わる大プロジェクトでした。
この授業を過去2年間作ってきたのは、工繊大教員の津吹達也さん
です。さらに、この授業を工繊大で人気科目にしたのも彼の功績です。
二年間の蓄積の中で最大の成果は、SA制度を始めたことです。しかも、
単に教員のお手伝いではなく、授業運営のほとんどを担っています。
まさに津吹さんとSAさんとの共作と言っていいと思います。
私の仕事は、過去二年間のシラバスを前提にして、新しい視点を導入することでした。
大規模授業でのグループワーク、パーソナリティー特性に基づくチーム分け、
反転授業の提案、学生の提案を迅速に授業改善に活かすMidterm Student Feedbackの導入、そして最も大きな事は見学者を常時迎え入れることでした。
「なぜ見学者を入れるんですか?」
とよく聞かれます。
一言で言うと、「学生の学びにゆらぎを与えるため」です。
教員が教える体系的な学びを崩しながら、学生が自ら学びを創り出します。
その際に、SAや見学者は大きな力となってくれます。
社会課題を解決するために、教室自体を社会そのものにすることは
まさに現場の切実感の中で学びを深めることになります。
SAさんの役割は最も重要です。彼らは、昨年度履修生で、この授業に愛着と共に、
使命感を持っています。一年年長の彼らが学生と一緒に学ぶことで、
教員から教えられることとは大きく異なり、一層意欲的に取り組みます。
このように教員が教えず、SA中心に授業を進行し、多くの見学者がいる中では教員の
コントロールがもはや聞きません。学生は自分たちでなんとかするしかないのです。
そうすると一番懸念されるのは、課題解決の提案レベルが落ちるかもしれない、ということです。
これについては、二年連続ゲスト講師を務め、審査委員も務めた方によると、昨年よりもかなりレベルが向上しているとのこと。今回始めて来られた他大学教員も一年生でここまでの提案をするのは驚きだと言っています。
私としては、課題解決の提案レベルとともに、学生がどのようなリーダーシップを発揮したのかが関心事です。これはかなり向上しています。データは追って分析します。
じゃあ、8回の授業をどう進めてきたのかですが、これについては、7回出席された見学者の由井真波さんがブログに書いておられますので参照下さい。
こうした挑戦は今後も続きます。
まずは第一歩が終わったということでしょう。