私のゼミは、他のゼミとは違って、あらかじめ厳しいということを告げて、同時に、技術力などの実力をつけることを前提とすると言っている。それを承知でゼミに入ってくるはずなのだが、実際はそうではない学生もいる。ここで教員と学生双方に思惑の違いが生じていく。
だが、この思惑の違いを解消するためには、学生を教員側に歩み寄らせようと思ってもうまくいかない。そこで、過去はともかく、現状からどう思惑の相違を埋めるのかという努力をしないといけない。
二回生の場合、後期から始まる専門演習の準備という位置づけなので、ゼミで取り組む「メディア、インターネット、NPO」に関する特定サイトを分担して読んでもらい、必要ならば、アナウンスしてもらうようにしている。同時に、全員が月に一回記事を書いてもらう。ただ、書くだけではなく、読者の立場からアドバイスをする編集委員会を学生の中から募って、そのアドバイスをもらうことでよりわかりやすい記事を書くようにしている。
この提案に最初は懐疑的だったゼミ生が次第に興味を持ち始めた。
同じ事を三回生にも提案してみたが、あまり受けない。初めて提案したということもあるが、どうもゼミがうまくいっていないことから、この提案を受け入れる環境が整っていないのかもしれない。
学生によって対応に差があるが、まずは二回生での実践をうまく進めることから始めよう。彼らの顔が少しずつ変わってきたのがわかるので。少しずつ面白くなってきた。