2015年後期「情報メディア論」最終週が終わりました

2013年前期から3年間続けてきた「情報メディア論」が2月1日最終週を終えました。

学生の学びは、外に開かれた学習環境でこそ一番学べるという「オープンでフラットな学び」を合い言葉にして、学外の多数の方々の協力の下に進めてきました。

授業見学者としては、2歳の子供さんから、前期は90歳の母までがやって来ました。2月1日には、東京大学の院生、京都大学の管理職(予定)、大阪大学の教員、マンガ家&教育工学者を初めとして、大学教員、高校教員、カウンセラー、日本ファシリテーション協会会員、教育企業社員、NPOメンバー、ビジネスコンサルタントなどなど、社会の中でのコミュニケーションや教育の専門家が25名以上見学に来られました。東京や名古屋からも参加してくださいました。3年間で、のべ見学者が800名近く、25名の授業協力者(Creative Team; CT)が関わってくれました。

私と一緒に授業を支えてくれた、今期のCT3名(川崎 信明さん、五島 優子さん、荒川 隆太朗さん)の献身的な努力で、15週の授業を全うしました。これまでで一番困難なかで、かれらは見事にやり遂げてくれました。素晴らしいメンバーと一緒にできたことは本当に光栄でした。もし彼らの成長があったとしたら、それは彼ら自身の努力の賜物だと思います。私はその側にいられて光栄でした。2016-02-01 21.56.53-2

授業開始の頃に戻りますが、10月から始まった授業を設計をする際に、かれらの意向を前提にする中で進めてきました。もちろん、授業開始当初はこちらからかなりの希望を伝えましたが、8週目からは完全にCTさんの世界でした。これまで授業設計した経験のないメンバーばかりでしたが、吸収力はかなりのもんでした。

第15週は授業全体の振り返りでした。普通は90分の授業時間の内で私が担当するのは最初の10分間なのですが、この時には、後15分間私にほしいとお願いし、認められました(過去に認められなかった経験があったのでとてもうれしかった)。

でも、この時間をファシリテートするのはかなり勇気がいりました。やり方は、15分間に、学生自身が表現したいことを自分で前に来て話す。これだけです。でも、周りを気にせず、自分の中から湧き出る気持ちをひたすら他の学生や見学者に伝えることは難しい。そして、この場を創る私にとっても難しかったです。ここ三、四週間、私はひたすら学生が自分の言葉で表現できるようにひたうら念じ続けていました。2016-02-01 14.58.17

結果的には、当日初めて来た見学者にも学生の語る姿がとても感動的で、思わず涙が出たという発言が続くことになりました。教師が教えるのではなく、学生自身がどう学んだのかを体現する時間でした。ここでの学生の姿がリフレクションの極致だと思いますし、アクティブ・ラーニングの究極の形です。私は、この15分間をしたいがために、15週間の授業をしていたといって過言ではありません。この場に同席してくれた学生やCTさん、そして見学者の皆さんとめったにない機会を体験することができました。

授業後には、家族の強力な支えの元に、拙宅での懇親会でした。8畳二間に30名以上の参加者を詰め込んだのですが、なんとか入るもんです。ただ、さすがにこの人数だと準備した料理はすぐになくなってしまいました。やはり家族で準備する限界のようです。

なにはともあれ、懇親会が終わってCTさんが帰る時にはさすがに涙が出て止まりませんでした。彼らなしには始まらない授業を背負うという重圧をはねのけてやりきったかれらの勇姿をいつまでも見続けたい気持ちが止まりませんでした。ありがとうございました。

ということで、今年度の授業は終わったので、来年度の授業準備を始めています。

来年度前期は、さらに挑戦的な試みをします。

私の授業ではなく、私が尊敬している他の方の授業に関わります。
他の方とは、関西大学商学部の長谷川伸さんの授業です。

CTを新規募集しますし、見学者も募りますから、枠組みは変わりません。

でも、関大だと大阪の交通至便の場所にありますし、非常に見学しやすいと思います。

詳しくは以下をご覧頂くとしても、ひとまずこれで一区切り尽きました。これまで関心を持って頂いた皆さんに感謝すると共に、
3年間、私と一緒に取り組んで頂いたCTさんには心からお礼申し上げます。IMG_9490

https://www.facebook.com/events/1050103555040999/

また、3年間の授業を分析した書籍もありますので、是非ご購読ください。

筒井 洋一、山本 以和子、大木 誠一編著
『CT(授業協力者)と共に創る劇場型授業―新たな協働空間は学生をどう変えるのか』
東信堂、2160円

今度は関大でお会いしましょう!CT本

カテゴリー: アクティブ・ラーニング パーマリンク

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